シニアに一戸建ては不向き?老後に住み替えるならマンション一択?

シニアに一戸建ては不向き?老後に住み替えるならマンション一択?

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老後の住まいを考える時、一戸建てよりもマンションの方が生活しやすいのだろうかと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、老後の住まいにはいくつか選択肢があります。安心で快適な老後生活が送れるように、自身や家族の状況に合わせて適切な住まい選びを検討しましょう。

老後の住み替えを考えるタイミング

老後の住み替えを考えるタイミングを考えてみましょう。

リフォームや大規模修繕が必要になったタイミング

家が老朽化し、定期的なメンテナンスや修繕が必要な段階に入ると、その状況を見て住環境の再考が必要になります。老朽化や劣化が進むと、住まいの安全性や快適性が損なわれる可能性があるからです。

特に高齢になると、身体的な制約やモビリティの低下により、バリアフリーなどの配慮が求められます。大規模な修繕やリフォームが必要になる時期は、老後の住環境を見直す絶好の機会と言えます。

定年退職が近づいてきたタイミング

定年退職が近づくと、老後の住み替えを考えるタイミングが訪れます。定年後の生活スタイルや収入の変化、健康状態の変化など、さまざまな要素が関与します。

子どもの独立後、大きな家を持て余してしまう方や、都心部や交通の便のよい場所から郊外や自然豊かな地域に移りたいと考える方もいらっしゃいます。

このタイミングで住み替えをすると、家の広さや利便性、安全性など、老後のライフスタイルに合った家を探しやすいでしょう。

体力や経済力に余裕がある50代頃から

収入や体力は老後に向けて徐々に落ち、住宅ローンの審査や引っ越しの手続きが難しくなります。新しいコミュニティに慣れることも大変です。

50代は、子育ても一段落し、仕事においても一定のキャリアを築いた方が多く、より自由な時間や資金を確保できるようになります。このような理由から、体力や経済力に余裕がある50代のうちに老後の住み替えを検討する方も多いようです。

老後の住まいの選択肢

老後の住まいの選択肢は多岐にわたります。最適な選択肢を選ぶためには、慎重な検討と計画が必要です。

リフォームや建て替えで老後に適した家にする

老後の住まいを選択する際のひとつ目の選択肢は、既存の自宅をリフォームや建て替えして老後に適した家にすることです。

リフォームでは、バリアフリー設備の導入や段差の解消、手すりの設置など、高齢者の生活に配慮した改修が行われます。また、建て替えの場合は、将来の健康状態やライフスタイルに合わせて、新しい家を設計することができます。慣れ親しんだ場所での生活を続けながら、老後の安心と快適さを確保できる点もメリットですね。

小規模マンションに転居する

ふたつ目の選択肢は、小規模マンションに転居することです。小規模マンションは、一戸建てよりもメンテナンスの手間が少なく、セキュリティや共用施設が整っていることが多いため、高齢者にとって魅力的な選択肢となります。また、階段の昇降が少ないため、高齢者でも住みやすい環境が提供されています。

さらに、近隣に医療機関や商業施設がある場合も多く、生活の利便性が高いことが特徴です。このような小規模マンションでは、コミュニティの形成や交流も促進され、孤独感を軽減する効果も期待できます。ただし、住宅管理費や共益費などの費用が発生することや、スペースの制約があることを考慮し、自身のライフスタイルや予算に合わせて適切な物件を選ぶことが重要です。

子供世帯と同居する

子供世帯との同居では、経済的な負担を軽減することができるだけでなく、孤独感を軽減し、家族間の絆を深めることもできます。また、子供たちが高齢の親を支え、介護や日常生活のサポートをしやすくなります。

一方で、同居生活には家族間のコミュニケーションやルールの調整が必要です。プライバシーや独立性の確保、家事や介護の負担分担など、様々な課題が生じる可能性があります。

シニア向けの住宅に転居する

シニア向けの住宅は、バリアフリー設計や安全対策が施されています。また、共用施設やサービスが充実しており、介護や医療、レクリエーションなどのサポートを受けることができます。

高齢者同士の交流やコミュニティ活動も盛んであり、孤独感を軽減する効果も期待できます。さらに、住宅管理や日常生活の手配が簡素化されており、住みやすい環境が整っています。ただし、シニア向けの住宅には入居条件や費用がありますので、慎重な検討が必要です。

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老後に一戸建ては不向き?マンション一択なのか

一戸建ての管理は大変なので、老後はマンションが適しているとお考えの方も多いかもしれません。しかし、結論から申し上げますと、老後の住まいの選択肢はマンション一択ではありません。

考えてみてください。そもそもマンションが少ない田舎では、高齢の方が一戸建てに住んでいます。そして、日本初の分譲マンションは、1953年に日本信販が売主となった「四谷コーポラス」です。日本のマンションの歴史は、まだ71年の歴史しかないのです。マンションが誕生するまでは、一戸建てに住むことが当たり前でした。「一戸建ては管理が大変だから、高齢者にはマンションがよい」というメディアからの刷り込みもあるかと思います。

確かにマンションはワンフロアで生活できるので、階段の昇り降りもなく、体の負担を軽減できます。しかし、環境や安全性さえ慎重に選べば、高齢者でも住みやすい一戸建ては多数あります。住み替えが難しいのであれば、無理にマンションに住み替えなくても、リフォームをしてホームエレベーターや階段リフトを設置する、段差をなくす、手すりを付けるなど、対処法はいろいろあります。

高齢者にはマンション一択!という思い込みでチャンスを逃すのはもったいないです。広い視野をもって老後の住まいを検討しましょう。

一戸建てとマンションのメリットデメリットもあわせて検討する

前項でも説明したとおり、高齢だからマンションが向いているわけではありません。一戸建てが向いている方、マンションが向いている方、人によって異なります。自分がどちらに向いているか考える時、それぞれのメリットデメリットもあわせて検討することが大切です。

老後に一戸建てに住むメリットデメリット

まずは一戸建てを選択した場合のメリットデメリットをみていきましょう。

老後に一戸建てに住むメリット
◎プライバシーが確保される
一戸建ては、自分の敷地内に広がる独自の空間を確保でき、マンションよりも隣地との距離が離れています。他人の気配を気にせず、自分たちのペースで過ごしたい方には最適な選択肢です。

◎敷地を活かした趣味が楽しめる
ガーデニングなど、敷地や日当たりなどを必要とする趣味を楽しみたい方は一戸建てが向いています。マンションでもルーフバルコニーなどでガーデニングを楽しむことはできますが、水やりや落ち葉など、階下への配慮が必要となります。

◎ペットの飼育がしやすい
ペット可のマンション以外では、生き物は飼えません。老後はペットと暮らしたい方やすでにペットと暮らしている方には一戸建ての方が適している場合があります。ただ、老後からペットを飼うことを検討している方は、最後まで飼育ができるのか(散歩や病気になった時の医療費など)しっかりと考えた上でお迎えをしましょう。

 

老後に一戸建てに住むデメリット
◎不便な立地になりやすい
一戸建てはマンションよりも立地が不便な場所に建っていることが多いです。定年退職後は駅まで行かない(電車に乗らない)方は駅近である必要はないかもしれませんが、スーパーや病院が近くにある物件を選びましょう。

普段は車で移動するなら問題ないかというと、そうでもありません。高齢になって免許を返納した後は徒歩移動がメインになります。特に注意したいのは坂道です。できるだけ平坦な場所に建つ一戸建てがおすすめです。

◎2階を活用できない
高齢になると階段の昇り降りが負担になります。移動する際に転倒して怪我をするリスクがあります。そのため、2階はほぼ物置状態で、スペースを活用できないという方もいらっしゃいます。

◎メンテナンスが大変
これは高齢でなくても該当することですが、一戸建てはマンションよりも部屋数が多く、日々の掃除に手間がかかります。また、屋根や外壁などのメンテナンスも定期的に必要です。手間とランニングコストがかかる点が一戸建てのデメリットと言えるでしょう。

老後にマンションに住むメリットデメリット

続いて、老後にマンションに住むメリットデメリットです。

【老後にマンションに住むメリット】
◎ワンフロアで生活ができる

老後にマンションに住む最大のメリットはこれではないでしょうか。ワンフロアで生活ができるので、家の中の移動が楽です。階段もないので怪我をするリスクも軽減できます。

◎掃除や管理が楽
家の中の掃除や管理は自分で行いますが、共有部分の掃除や修繕は管理会社がやってくれます。その分、管理費や修繕積立金がかかるわけですが、手間を省く費用と考えると損はないのではないでしょうか。

 
◎セキュリティ性が高い
いつ高齢者を狙う勧誘や押し売り業者がくるかも分かりません。一戸建てでもマンションでも自分でセキュリティ対策は万全にしておく必要があります。オートロック付きのマンションを選べば、セキュリティ面は安心です。一戸建てのように自分でわざわざセキュリティ会社に依頼する必要もないのでコストもかかりません。

 

【老後にマンションに住むデメリット】
◎管理費や修繕積立金がかかる

管理費や修繕積立金を支払うことで共有部分の掃除や修繕などをやってもらえるのですが、“払いたくないのに強制的に払わされる”ことに抵抗がある方もいらっしゃいます。一戸建ての場合は自分で修繕のタイミングや費用を決められますが、マンションはそれができません。

◎災害時や点検時はエレベーターが使えない
そう頻繁に起こることではないですが、マンションのデメリットとして、災害時や点検時にはエレベーターが使えないという点が挙げられます。高齢者にとっては、階段を使って高層階に移動することは負担が大きいでしょう。セキュリティ面では高層階が優れていますが、災害時には数日間エレベーターが使えない可能性があります。マンションを選択する際は、このようなリスクも考慮する必要があります。

まとめ

老後の住まいはマンション一択なわけではありません。人によっては一戸建てが適している場合もあります。記事内でも述べたとおり、「高齢者にはマンション一択!」という思い込みで選択肢を狭めてしまうのはもったいないことです。老後の住まいとしては、一戸建てかマンションかという考え方よりも、立地の利便性や体に負担がかからない家であるかどうかで判断しましょう。

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