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住宅ローンの返済期間は短い方がいい?長い方がいい?

住宅ローンの返済期間は短い方がいい?長い方がいい?

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住宅ローンの返済期間を短くするか長くするかは、多くの方が悩む問題です。それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらが良いかは個々の状況に依存します。この記事では、両者の特徴を比較し、あなたに合った返済期間の選び方を解説します。

住宅ローン返済中に期間を変更することはできる?

住宅ローンの返済期間は一般的に1年以上35年以下とされていますが、返済途中で期間を変更することも可能です。ただし、注意すべき点がいくつかあります。

まず、返済期間を短縮する場合についてです。月々の返済額が増えるため、家計に余裕がある場合でないと難しいでしょう。金融機関では現在の年収で返済可能かどうかの審査が行われ、これに通過すれば返済期間の短縮が可能です。

一方で、返済期間を延長する場合については、年齢が重要なポイントとなります。多くの金融機関では完済時の年齢を80歳までと設定しているため、希望する返済年数まで延長できない場合があります。さらに、返済期間の延長には新規借入時と同じ年収および勤務先であることが条件となります。

返済期間は短い方がいい?長い方がいい?

では、住宅ローンの返済期間は短い方がよいのか長い方がよいのか、それぞれのメリットデメリットとあわせてみていきましょう。

返済期間を短くするメリット

返済期間を短くするメリットは以下のようになります。

メリット1:総返済額が抑えられる
返済期間が短いと、支払う利息の総額が少なくなります。その結果、最終的な総返済額が抑えられます。

メリット2:早く完済できる
返済期間が短いと、そのぶん利息が軽減されます。

メリット3:金利優遇を受けられる
たとえば、フラット35では返済期間が21年以上35年以下の場合よりも、20年以下の方が低金利で設定されています。2024年5月時点での金利は以下のとおりです。

フラット35(21年以上35年以下): 年1.83%
フラット20(20年以下): 年1.44%

メリット4:住宅ローンの保証料が安くなる
保証料は、返済が滞った際に保証を受けるために保証会社に支払う費用です。都市銀行や地方銀行など一部の金融機関では、返済期間が長いほど保証料が高くなるため、返済期間を短くすることで総支払額を抑える効果が期待できます。

返済期間を短くするデメリット

続いて、返済期間を短くするデメリットです。

デメリット1:毎月の返済額が高くなる
返済期間が短いと、毎月の返済額が増えるため、家計への負担が大きくなります。借入時の年齢が高齢の場合は返済期間が短くても仕方ないですが、これから子どもにお金がかかる世代が返済期間を短くしてしまうと、後々家計を圧迫する可能性が高くなります。

デメリット2:返済年数の延長が難しい
借入後に返済年数を延長することは基本的に難しいため、慎重な選択が必要です。返済期間を短くするか長くするか迷っている場合は、経済状況の変化などに対応するために、余裕を持った計画を立てましょう。

返済期間を長くするメリット

返済期間を長くするとどのようなメリットがあるのでしょうか。

メリット1:毎月の返済額が抑えられる
返済期間を長くすると、毎月の返済額が少なくなるので家計のやり繰りがしやすくなります。子どもの教育にお金がかかる世代にとって、総合的な返済額を抑えるよりも、毎月の返済額を抑える方が家計の負担が少ないケースも多いです。

メリット2:貯蓄に回した分で急な支出に対応できる
返済額を抑えた分を貯蓄に回すことで、急な支出や一時的な収入減に対応しやすくなります。中長期的な収支計画に不確定要素がある場合でも、比較的安心して住宅ローンを利用できます。

返済期間を長くするデメリット

返済期間を長くするメリットは以下のとおりです。

デメリット1:総返済額が高い
返済期間が長いと支払う利息の総額が増え、最終的な総返済額が高くなります。対策としては、返済途中で繰り上げ返済をして、できるだけ返済期間を短縮していくしかありません。しかし、繰り上げ返済をすると貯金が減るので注意が必要です。「ボーナスが入ったら毎回必ず繰り上げ返済をする!」とルール化せず、家計に余裕がある時期だけ計画的に行いましょう。

デメリット2:長期的な経済リスクがある
長期間にわたる返済計画は、将来的な収入の変動や経済状況の変化に対するリスクが高まります。退職後はどうやってローンを払っていくのか、老後の資金は貯めていけるのか、返済期間が長ければ長いほど課題が多くなります。

返済期間別に総返済額をシミュレーション

返済期間別に総返済額がいくらになるのか返済期間20年、25年、30年、35年でシミュレーションしてみましょう。

借入金額:2000万円
金利:固定金利1.0%・元利均等返済・ボーナス返済なし

返済期間毎月の返済額利息分総返済額
35年5万6457円約370万円2371万1746円
30年6万4327円約316万円2315万7879円
25年7万5374円約261万円2261万2189円
20年9万1978万円約207万円2207万4815円

借入額が大きくなれば、その分総返済額の差もさらに大きくなります。利息を多く支払うよりも、毎月無理のない範囲で返済期間をできる限り短くすることが、経済的には確実に有利です。しかし、家庭によっては「長く借りて早めに返す」方が得策の場合もあります。ちなみに、「早めに返す」というのは、返済期間の短縮を金融機関に申し出るほかに、繰り上げ返済をする方法もあります。

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返済期間を長くして繰り上げ返済をする場合

前項で少し触れましたが、「長く借りて早めに返す」には、返済途中で繰り上げ返済を方法もあります。

繰り上げ返済は「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類

住宅ローンの繰り上げ返済には、返済期間を短縮する「返済期間短縮型」と、月々の返済額を減らす「返済額軽減型」の2つの方法があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

◎返済期間短縮型
月々の返済額は変えずに、返済期間を短くする返済方法です。特徴は以下のとおりです。

・月々の返済額は変わらない
・返済期間が当初より短縮される
・返済期間が短くなるので、短縮された期間の利息が軽減される

返済期間が短くなる分、支払う利息も軽減されます。短縮された期間の利息を節約できるため、多くの方がこの方法を選択しています。

◎返済額軽減型
返済期間を変えずに、月々の返済額を少なくする返済方法です。

・月々の返済額が少なくなる
・返済期間には変化がない
・返済期間短縮型より、利息軽減効果が低い

この方法は、変動金利型のローンを返済している方に人気があります。金利が上昇する前に繰り上げ返済を行うことで、月々の支払額を一定に保つことができるためです。

完済時期を早めたい人は返済期間短縮型

「返済期間短縮型」は、毎月の返済額を変えずに返済期間を短縮できる方法です。家計が安定しており、毎月の返済額を減らす必要はないが、早くローンを完済したいという方にぴったりです。

・定年までに住宅ローンを完済したい人
長期ローンを組んでいる方や、定年退職後の支払いに不安を感じている方には、「返済期間短縮型」が適しています。

 
・老後資金を増やしたい人
定年退職前にローンを完済することで、毎年の固定資産税のみを支払うことになります。早くローンを終わらせることで、老後資金の貯蓄を増やすことができます。

支出が多い人や金利上昇に備えたい人は返済額軽減型

「返済額軽減型」は、毎月の返済額を抑えたい人に向いている方法です。

・支出が多い人、子どもの教育費がかかる人
子育て世代で子どもの教育費や習い事にお金がかかる方には、「返済額軽減型」が良いでしょう。毎月の返済額を少なくすることで、家計の負担を軽減できます。

・変動金利型、固定金利選択型で住宅ローンを組んでいる人
変動金利型や固定金利選択型でローンを組んでいる場合、金利の上昇に備えるためにも「返済額軽減型」が有効です。繰り上げ返済を行うことで、金利が高くなる前と同じ水準で返済を続けることができます。ただし、金融機関の設定する金利水準によっては例外もありますので、ご注意ください。

繰り上げを利用する時の注意点

繰り上げ返済は住宅ローンの負担を軽減する有効な方法ですが、利用する際にはいくつかの注意点があります。以下に、繰り上げ返済を行う際の主なデメリットをまとめました。 ・手元の資金が減る 繰り上げ返済は、いわば前倒し返済です。本来なら払わなくてもいいタイミングでまとまった金額を支払います。繰り上げ返済を行う際には、手元の生活資金を十分に確保することが重要です。急な出費や予期せぬ事態に備えるため、緊急時の生活資金や貯蓄を確保してから繰り上げ返済を行うようにしましょう。   ・繰り上げ返済手数料がかかる 金融機関によっては、繰り上げ返済に手数料がかかる場合があります。手数料が高いと、繰り上げ返済による利息軽減効果が相殺されてしまうことがありますので、事前に手数料の有無や金額を確認することが重要です。   ・住宅ローン控除への影響 繰り上げ返済を行うことで、住宅ローン控除などの税制優遇措置に影響が出る場合があります。特に住宅ローン控除を利用している場合は、返済期間を短縮することで控除額が減少することがあります。

返済期間を決める時のポイント

返済年数を決めるときには、借入金額や金利などの借入条件だけでなく、将来の収入や支出、退職時の年齢も考慮する必要があります。返済年数は利息額や諸費用などに影響するため、家計の状況に合わせて慎重に決めましょう。以下に具体的なポイントをまとめました。   ・家計のバランス 月々の返済額が家計に過度な負担をかけないようにしましょう。子どもの教育費や老後の生活費、住宅の修繕費など、将来的に発生する大きな支出も見込んで計画を立てることが重要です。   ・利息額と総支払額 返済期間が長くなるほど、総支払利息も増加します。利息額を抑えるためには、返済期間を短くすることが有効ですが、月々の返済額とのバランスを考慮して無理のない額で借入をしましょう。   ・完済時の年齢 退職後もローン返済が続くことを避けるために、定年退職までに完済できるような返済期間を設定することが望ましいです。多くの金融機関では、完済時の年齢を80歳までとしているため、それを超えない範囲で返済期間を設定する必要があります。

まとめ

返済期間が短ければ総利息を抑えられますが、毎月の負担が増えます。一方、返済期間が長ければ月々の返済額を軽減できますが、支払う総利息が増加します。

年齢的な問題で返済期間が短くなってしまう方を除いて、多くの方が選択する方法は『長い返済期間でローンを組んで、途中で繰り上げ返済をする』です。

繰り上げ返済をする場合は、手元の資金を使いすぎない様、家計に余裕がある時に繰り上げ返済をして利息を減らしていきましょう。