金利の低さだけで住宅ローンを選ばないで!

金利の低さだけで住宅ローンを選ばないで!

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今は「超低金利時代」と呼ばれるほど金利が低く、引き下げ金利を使えば1%を切ることも多々あります。

変動金利などの金利が低い住宅ローンは魅力的ではあるのですが、「金利が低ければ低いほどお得」という感覚で選んでしまうと、家計が苦しくなる可能性があるのでおすすめしません。

そこで今回は、なぜ金利の低さだけで住宅ローンを選んではいけないのか、自分に合った住宅ローン(種類、金利、返済方法)を選ぶためのポイントを説明したいと思います。

[1]金利の低さだけで損得を判断するのはNG!その理由は?

断言はできませんが、今後金利は上がることはあっても、今よりも下がる可能性は低いと言われています。1%を切ることもありますから、もうこれ以上は下がり様がないでしょう。

そんな「超低金利時代」の今、住宅ローンを組む大チャンスなのですが、金利の低さだけで住宅ローンを選ぶと今後金利が上がった時に困る可能性が高いので注意が必要です。

特に注意していただきたいのは変動金利です。固定金利よりも金利が低いことが多いですが、返済途中で金利が上がったらどうしますか?その頃ちょうど年収も上がっていたら問題ないと思いますが、変わっていなかったら…?

住宅ローンには、金利が上昇していても、5年間は返済額が変わらない「5年ルール」というものがあります。そして6年後からは、今までの返済額から125%までしか金利が上がらないことになっています。これを「125%ルール」といいます。

この2つのルールのおかげで、金利が上昇してもすぐに毎月の返済額が大幅に増えるわけではないのですが、総返済額は変わらないため、返済の終盤に未返済分を支払わなければなりません。また、融機関によっては「5年ルール」と「125%ルール」がないケースもあるので要注意です。

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[2]自分に合った住宅ローンの種類はどれ?

住宅ローンには「民間ローン」と「公的ローン」があります。さらに枝分かれして何種類かに分類されているので、どれが自分に合っているのか、利用できるローンはどちらなのか、参考にしてください。

民間ローン

民間ローンは「民間融資」「提携融資」「社内融資」の3種類あります。

 ◎民間融資
メガバンクと呼ばれる有名な銀行、信用金庫、住宅ローン専門会社、保険会社といった民間企業が融資する住宅ローンです。金利や審査基準はそれぞれ異なりますが、窓口がたくさんあるので安心感はあります。

◎提携融資(提携ローン)
不動産会社が金融機関と提携し、融資する住宅ローンです。不動産会社が様々な手配はしてくれるので楽ではありますが、金利が他のローンと比べて低くもなく、希望する金利や借入期間が選択できない場合があります。

◎社内融資
会社が福利厚生の一環として社員に提供している住宅ローンです。審査基準が比較的ゆるめなことが多いですが、退職した際に借りたお金を一括返済しなければならないので注意が必要です。

公的ローン

公的ローンは「財形住宅融資」「自治体融資」「フラット35」の3種類あります。

※フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して扱っている住宅ローンで、公的融資・民間融資どちらにも分類しにくいのですが、今回は公的ローンとして説明したいと思います。

 ◎財形住宅融資
ネット銀行なみに安い金利で借りられることが多いです。利用するには「財形貯蓄していること」、「年収と借入額の条件が合う人」などの条件を満たす必要があります。

利用条件については、以下をご確認ください。
住宅金融支援機構ホームページ 財形住宅融資ご利用条件

◎自治体融資
都道府県、特別区・市町村などが住民支援・勤労者支援の一環として実施している融資です。自治体が直接お金を貸す場合や、民間の金融機関と提携して利子分を補填する場合などがあり、金利や借入れ条件などは各自治体によって異なります。

◎フラット35
フラット35は、審査基準が民間ローンよりも比較的緩めで、年収による制限もないため、自営業の方も審査に通りやすいと言われています。ただ、民間ローンは金利を選択できますが、フラット35は固定金利しか選べません。

詳しくは以下からご確認ください。
住宅金融支援機構ホームページ フラット35

民間ローンと公的ローンの違い一覧

前項では公的ローンと民間ローンについて説明しました。分かりやすくそれぞれの違いを表にまとめましたので参考にしてください。

公的ローン民間ローン
審査比較的ゆるい比較的厳しい
勤続年数規定なし2〜3年以上
年収規定なし200〜400万円以上
ローンの取引履歴民間ローンほど重視しない (直近3ヶ月の間に延滞があると不可) 非常に重視する (過去2年間に2回以上の延滞があると不可)
選択金利全期間固定(フラット35) 期間選択型固定金利(財形住宅融資) 変動金利 全期間固定金利 期間選択型固定金利 ミックス型
借入限度額フラット35:8,000万円 財形住宅融資:4,000万円 最大1億円
年齢制限66歳(財形住宅融資) 70歳(フラット35) 65歳
団信の加入任意加入
物件の技術基準の審査ありなし

[3]自分に合った金利はどれ?

次に住宅ローンの金利について説明します。金利の低さだけはなく、メリットデメリットからも自分に合ったものを選択しましょう。

全期間固定金利

完済まで金利が変わらない住宅ローンです。変動金利型よりも金利が高めに設定されていることが多いです。

メリット
・返済額が変わらないので将来のライフプランがたてやすい
・金利が変わらない安心感がある

デメリット
・変動金利よりも金利が高い
・今後、金利が低くなれば変動金利よりも返済額が多くなる

向いている人
・安定した資金計画を立てたい人
・今後、教育費などで支出が多い人

変動金利

借入期間中に金利が変動する住宅ローンです。半年ごとに金利が見直され、5年ごとに返済額に反映されることが一般的です。

メリット
・固定金利よりも金利が低い
・金利が上昇しなければ固定金利よりも返済額は少ない

デメリット
・金利上昇のリスクがある
・金利が上昇すれば、返済額が高くなる

向いている人
・金利の動向をこまめに確認できる人
・返済期間が短い、借入金額が少ない人
・金利が上昇して返済額が増えても経済的に余裕がある人

固定期間選択型

3年、5年、10年といった具合に金利の適用期間が決まっていて、期間終了後に適用金利を選択します。期間中は金利が固定されているので返済額は変わりません。

メリット
・固定期間中は毎月返済額が増えない安心感がある
・固定期間経過後に金利が下がっていれば、低い金利を享受できる

デメリット
・固定する期間が長くなればなるほど、金利は高くなる
・固定期間経過後に金利が上がっていた場合、返済額が増える

向いている人
・教育費がかかる一定時期だけ返済額を安定させたい人
・車のローンなど、返済が重なる時期だけ返済額を抑えたい人

[4]自分に合った返済方法はどれ?

「え、まだあるの!?」と思った方、申し訳ありません。まだあります。住宅ローンには「元利均等返済」と「元金均等返済」という2つの返済方法があります。住宅ローンについて本格的に調べない限り、あまり耳にしない言葉ですが、実はこの返済方法の選び方も返済額を大きく買える要素なのです。

元利均等返済

月々の元金と利息の返済合計額を均等に返済する返済方法です。金利が一定であれば毎月の返済額は最後まで変わりません。

返済開始当初は、毎月の返済額に占める利息の割合が大きく、元金の返済分の割合は小さくなります。そのため、元金均等返済に比べて総返済額が多くなります。

元金均等返済

元金を返済期間で均等に割り、さらに残高に応じた利息を上乗せした金額を支払う返済方法です。

返済開始当初は毎月の返済額が多いですが、返済期間が短くなるにつれて少なくなっていきます。元利均等返済と比べて返済開始当初に支払う金額は多くなりますが、元金の減りが早いので総支払金額も少なくなります。

元利均等返済と元金均等返済どちらがよい?

元利均等返済と元金均等返済の違いですが、以下に分かりやすく表にまとめましたので参考にしてください。

元利均等返済と元金均等返済の違いとメリットデメリット

内容毎月の返済額メリットデメリット向いている人
元利均等返済元金と利息の合計が均等になる返済方法返済額は一定毎月の返済額は変わらないので資産計画を立てやすい。 基本的には、どこの金融機関でも取り扱いをしている。 元金返済のペースが遅いため、総返済額は元金均等返済よりも多くなる。・毎月の返済額を一定にしたい人 ・計画的に貯金をしたい人
元金均等返済毎月かかる元金の返済額を一定にする返済方法返済が進むにつれて毎月の返済額が減っていく元金の減り方が早く、総返済額が少なくなる。毎月返済額が減っていくので後半の返済が楽になる。 返済当初の毎月返済額が多くなる・取り扱っていない金融機関が多い。 ・総返済額を少なくしたい人 ・借り入れ当初から家計に余裕がある人

元利均等返済は、毎月の返済額が一定になるように、元金と利息の合計が均等になるように調整されます。一方、元金均等返済は元金を毎月均等にする返済方法のため、返済がスタートした時は元金が多く残っているため返済額が多めになりますが、返済が進むにつれて毎月の返済額が減っていきます。

どちらもメリットがあるので迷いますが、元利均等返済を選ぶ方が多く、元金均等返済の取り扱いがない金融機関もあります。どうしても元金均等返済がよい!という方は取り扱いがある金融機関を探してみてくださいね。

[5]まとめ

金利の低さだけではなく、自分に合った住宅ローンを選びましょう!

変動金利などの金利が低い住宅ローンは魅力的ではあるのですが、金利上昇のリスクがあります。「5年ルール」がない金融機関で住宅ローンを組んだ場合はさらにリスクが高まります。

万が一金利が上昇して返済額が増えても困らない、という方には向いていますが、「一生不安を抱えたくない」という方は、多少金利が高くても固定金利の方が資金計画を立てやすいので安心です。金利の低さだけではなく、自分に合った住宅ローンを選んでいただきたいと思います。

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