【2022年3月最新】住宅ローン控除の控除率が1%→0.7%へ

【2022年3月最新】住宅ローン控除の控除率が1%→0.7%へ

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2021年末までの住宅ローン控除は2021年11月30日が契約期限、2022年12月31日が入居期限でした。従来の住宅ローン減税は2021年で終了。

そして、2021年12月24日、令和4年度税制改正の大綱が閣議決定され、2025年まで4年間延長されることになりました。

そんな今回の改正は控除率が1%から0.7%に下がったため、「改悪」だと言われています。実際のところどう変わったのでしょうか。記事内で詳しく解説します。

※2022年(令和4年)3月12日時点での情報になります。住宅ローン控除の利用条件は変更が多いため、住宅購入時には国税庁のホームページ等から最新情報をご確認ください。

[1]住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は、10 年以上の住宅ローンを利用して住宅を取得(またはリフォーム)した場合に、年末のローン残高に控除率を掛けた金額分の税負担を所得税・住民税から控除する制度です。

住宅ローン控除の最大控除額については後述しますが、従来の住宅ローン控除は控除率1%という“住宅ローンの金利よりも低い”ものでした。

令和4年度税制改正により控除率が1%から0.7%に下がったので「改悪だ!」と言われていますね。その一方で、「今までの控除率が低すぎたから妥当」という意見もある様です。

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[2]令和4年度税制改正で何が変わった?

それでは、改正で変わった部分をひとつひとつみていきましょう。

令和7年まで適用期間が延長

従来、住宅ローン控除は2021年で終了する予定でしたが、2025年(令和7年)まで4年間延長されることになりました。今回の改正は「改悪」だと言われていますが、終了しなくて良かったと安心されている方も多いのではないでしょうか。

控除率は1%→0.7%へ

これが一番大きな変化ですね。今まで1%だった控除率が0.7%に変更されました。新築住宅も中古住宅(既存住宅)も一律で0.7%です。年末の住宅ローン残高が3,000万円の場合は、最大で0.7%分の21万円が還付される計算となります。

利用者の所得制限

今まで利用者の所得制限は「所得3,000万円以下」でしたが、今回の改正で「所得2,000万円以下」に引き下げられました。中間所得層を対象とした制度に変化しているのかもしれませんね。

控除期間

2021年までの住宅ローン控除では、控除期間は原則10年とされており、消費税引き上げに対する特例措置で最大13年とされていました。

今回の改正では、以下のように控除期間が定められました。

・新築住宅と買取再販住宅…13年間
買取再販住宅とは、不動産会社が買い取ってリフォームした後、再販売する中古住宅を指します。住宅ローン控除で買取再販物件として認定されるためには、新築後10年以上経過しているなどの要件を満たしていなければならないこと。

・認定住宅ではない「その他の住宅」…10年間
認定住宅などは13年間の控除期間ですが、認定住宅などではない「その他の住宅」は、2024年以降の入居から控除期間が10年間となります。

・中古住宅の控除期間…10年間

借入限度額

今回の改正で新築住宅のなかに認定住宅やZEH、省エネ基準が追加されました。今までは「長期優良住宅・低炭素住宅は5,000万円、それ以外は4,000万円」でしたが、改正後は住宅の種類によって借入限度額が異なります。

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・認定住宅(長期優良住宅)とは
長期にわたり良好な状態で使用するための措置が構造と設備に講じられた優良な住宅。所管行政庁に申請することで認定されます。

・低炭素住宅とは
二酸化炭素の排出を抑えるための対策が講じられた住宅。所管行政庁に申請することで認定されます。

・ZEH水準省エネ住宅とは
ZEH基準、つまり日本住宅性能表示基準の断熱等級5かつ一次エネ等級6の性能を有する住宅。※太陽光発電システムは必須ではありません。

・省エネ基準適合住宅とは
日本住宅性能表示基準の断熱等級4以上かつ一次エネ等級4以上の性能を有する住宅。

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新築と中古、それぞれまとめましたので参考にしてください。

【新築住宅の借入限度額】

入居年認定住宅ZEH水準省エネ住宅省エネ基準適合住宅その他の住宅
2022年~2023年5,000万円4,500万円4,000万円3,000万円
2024年~2025年4,500万円3,500万円3,000万円0円※

※2023年までに新築の建築確認がされている場合は2,000万円)

【新築住宅の借入限度額】
・認定住宅(2022年~2025年)3,000万円
・その他の住宅(2022年~2025年)2,000万円

中古住宅は昭和57年(1982年)以降に建築された住宅が適用対象

中古住宅を購入して住宅ローン控除を利用した場合の最大控除額は、改正前が200万円、改正後は140万円に縮小されました。

改正前は、中古住宅を購入して住宅ローン控除を利用するためには以下の条件を満たしている必要がありました。

・木造(非耐火建造物)は築20年以内
・耐火建造物は築25年以内

※上記の要件を満たない場合は、以下の証明書が必要でした。
・耐震基準適合証明書
・既存住宅性能評価書
・既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の付保証明書

そして、改正後は昭和57(1982)年以降に建築された住宅(新耐震基準適合住宅)に統一されました。

たとえば、築25年以内の中古物件でなくても、証明書不要で住宅ローン控除が利用できるようになったのです。

[3]【住宅の種類別】最大控除合計額の違い

同じ新築や中古であっても、認定住宅と普通の住宅では借入限度額が異なると先に説明しました。借入限度額が異なるということは、最大控除合計額にも差が出ます。どのくらい差が出るのか詳しく解説します。

最大控除額の違い一覧

住宅の種類によって借入限度額が異なるため、最大控除額の差は最大182万円にもなります。以下は住宅の種類別ごとにまとめた最大控除額です。

新築の場合

・認定住宅
5,000万円(借入限度額)×0.7%=35万円×13年=455万円

・ZEH水準省エネ住宅
4,500万円(借入限度額)×0.7%=31.5万円×13年=409.5万円

・省エネ基準適合住宅
4,000万円(借入限度額)×0.7%=28万円×13年=364万円

・その他の住宅
3,000万円(借入限度額)×0.7%=21万円×13年=273万円

中古の場合

・認定・ZEH・省エネ住宅
3,000万円(借入限度額)×0.7%=21万円×13年=273万円

・その他の住宅
2,000万円(借入限度額)×0.7%=14万円×13年=182万円※

認定住宅とその他の住宅(新築)では、最大控除額に182万円も差があります。これは大きな差ですね。ただし、これはあくまでも最大控除額で、必ず毎回この金額がもらえるわけではありません。年末時点での住宅ローン残高にもよりますし、実際に計算をしてみないと正確な数字は分かりませんので参考程度にお考えください。

[4]改正で最大控除額はどれくらい変わった?

改正前に住宅ローン控除を受けた人と改正後に受けた人と違いは以下のとおりです。

新築住宅・買取再販の場合

~2021年2022~2023年2024~2025年
(控除率1%0.7%
認定住宅600万円455万円410万円
ZEH水準省エネ住宅480万円410万円319万円
省エネ基準適合住宅480万円364万円273万円
その他の住宅480万円273万円140万円※

※2023年までに新築の建築確認がされている場合

中古住宅の場合

~2021年2022~2023年2024~2025年
(控除率)1%0.7%
認定住宅300万円210万円※
その他住宅200万円140万円

※2022年以降はZEH、省エネ基準を含む

[5]住宅ローン控除の適用条件

下記は住宅ローン控除を受けるための条件です。借りる住宅ローンの内容・住宅ローンを組む人・購入する住宅、それぞれの条件を満たしている必要があります。

住宅ローン控除の対象となる条件
新築・中古共通条件(1) 自分自身が居住する住宅であること (2) 住宅取得の日から6ヵ月以内に居住、その年の12月31日まで継続して居住すること (3) 床面積が50㎡以上であること (40㎡以上に緩和される条件あり) (4) 住宅ローンの借入期間が10年以上であること (5) 適用を受ける年の年収が2,000万円以下であること
中古住宅の場合(1)築年数が以下の規定の年数以内であること ・鉄筋造や鉄骨鉄筋コンクリート造などの耐火建築物…築25年以内 ・木造などで建てられた非耐火建築物の場合…築20年以内
リフォームの場合(1)工事費100万円以上 リフォームの場合は、工事費が100万円以上の住宅が対象となります。
住宅ローンの内容(1) 民間の金融機関や住宅金融支援機構から借り入れた住宅ローンであること (2) 勤務先から借り入れた住宅ローンの場合は、金利が0.2%以上であること (3) 親族や知人からの借り入れは対象外 (4) 返済期間が10年以上
住宅ローンを組む人の条件(1) 住宅ローンを組んで自宅を購入した人 (2) 住宅取得後6ヵ月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで引き続き入居していること (3) 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下 (4) 入居した年とその前後2年ずつの計5年間に、3,000万円特別控除や買換え特例を受けていないこと

[6]まとめ

住宅ローン控除は、今後も条件が変更される可能性があります

改正を何度も繰り返している住宅ローン控除。4年間延長後、住宅ローン控除は完全に終了するのかは何とも言えませんが、日本は新築住宅購入者に優しい国です。新築ばかりが売れ、空き家が増える「空き家問題」も課題ではありますが、不動産業界は日本の経済を支える重要な要素です。「マイホームを買いたい」と思わせる税制は今後も改正をしながら続くのではないかと思います。

今後も条件が変更される可能性が高いので、これからマイホームを購入予定の方は動向をチェックしてくださいね!動きがありましたら当コラムでもお知らせいたします。

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