無理のない「住宅予算」はこう決める! 投稿公開日:2021.08.11 投稿カテゴリー:blog / お住い探し / 住宅ローン 家を買う時の予算の決め方!後悔しないためにおさえたいポイント! ——————–【目次】[1]住宅予算って何?どうやって計算するの?[2]住宅予算を計算する時の注意点1.家を買うために貯金を使い切らない2.ギリギリまで住宅ローンを組まない3.年収は同じでも、買える家の価格は人によって違う[3]年収500万円の借入可能額[4]「年収の5倍まで」は金利5%時代の考え[5]頭金はいくら必要?本当に頭金ゼロでも買って大丈夫?[6]まとめ——————– ◆個別のご相談はこちら◆ 【無料】来店相談 【無料】電話相談 マイホームは一生に一度の高額な買い物。予算も考えず、見切り発車で行動してもよい結果はもたらしません。たとえ住宅ローンを借りられたとしても、家計ギリギリであればいつか必ず破綻します。そこでこの記事では、住宅予算の考え方や注意点、欲しい物件が住宅予算をオーバーしていた時の対処法などを解説したいと思います。 [1] 住宅予算って何?どうやって計算するの? そもそも、住宅予算とは何なのでしょうか。文字通りに捉えれば、住宅を購入するための予算ということになりますが、実はそう単純なものでもないのです。住宅予算とは、「無理なく返済できる借入可能額」です。具体的に説明すると➀銀行からいくら借り入れができるのか(上限予算)➁支払い希望から計算すると、いくらの物件が妥当なのか(支払い希望予算)これらを算出したものが住宅予算となります。年収から判断する返済シミュレーションなどをインターネットなどでよく見かけますが、あくまで参考程度にお考えいただくと良いかと思います。やはり、年収だけではなく支出額も併せてみないことには、正確な住宅予算にはなりません。たった数万の違いだとしても、家計を圧迫する可能性は大いにあるのです。お住まい探しをスタートさせた方で多いのは、住宅予算を知る前に物件探しをしてしまうこと。自分のお財布の中身を確認せずに買い物をしてしまうのです。そして気に入った物件が見つかったら予算オーバー。これは本当によくある失敗です。 [2]住宅予算を計算する時の注意点 家を買うために貯金を使い切らない家を買うために貯蓄をすべて使いきってしまうのは絶対にダメです。人生何が起こるか分かりませんから、万が一の事態に備えて、下記の費用は残しておいてください。・入居費用…引っ越し費用は距離や荷物の量にもよりますが15~20万円程用意しておきましょう。・万が一のときの貯蓄…怪我や病気などに備えるための貯蓄。生活費の3カ月~半年分の金額が目安です。・将来のための貯蓄…教育費、車検代、家具家電の買い換え費用など ギリギリまで住宅ローンを組まない勘違いしている方が多いのですが、借入可能額というのは「可能額ギリギリまで借りても返済が苦しくならない」という保証はありません。借りられるというだけで、家計に余裕があるのかというと微妙なところです。年収500万円の方が民間の金融機関で住宅ローンを組んだ時、無理のない借入額はいくらなのか下記にまとめてみましたので参考にしてください。無理のない借入額の目安 毎月の返済額無理のない借入額 25年ローン約3,000万円110,000円(年収の26%)30年ローン約3,300万円93,500円(年収の22%)35年ローン約3,600万円81,500円(年収の20%) 返済額は年収の35%をオーバーすると生活が苦しくなるので、20%程度に抑えておくことが理想です。フラット35の場合は、審査金利ではなく実際に住宅ローンを組むときの金利で返済比率を計算するため、民間の金融機関より多く借入ができますが、ギリギリまで借りることがないようにご注意ください。 年収は同じでも、買える家の価格は人によって違う年収だけで住宅予算を計算することは意味がないとまでは言いませんが、鵜呑みにして物件探しをスタートさせるのはおすすめしません。なぜおすすめできないかと言いますと、ほとんどあてにならない数字だからです。年収は同じであっても、家族数やマイカーの有無、子どもの数によって支出額は異なります。たとえば、DINKs(子どもをもたない選択をした共働き夫婦)のご家庭と子どもがいるご家庭では、支出額が全く違います。ただ、「いきなり銀行や不動産会社に相談に行くのは怖い」という方も多いことでしょう。本来なら怖がっていないで相談に行きましょう!と背中を押したいところですが、やはり目安といってもある程度の資料は必要ですよね。次項で年収500万円を例にシミュレーションしてみましょう。 ◆個別のご相談はこちら◆ 【無料】来店相談 【無料】電話相談 [3]年収500万円の借入可能額 借入可能額は、金融機関ごとに設けられている「返済比率」によって算出されます。返済比率とは、住宅ローン以外の借入れを含むすべてのローンに関して、年収に占める年間合計返済額の割合のことをいいます。民間金融機関の「審査金利」においては、年収の35%~40%程度で計算されることが一般的です。審査金利とは、簡単にいうと「審査金利=審査をするための金利」のことです。実際に住宅ローンで適用される金利よりも高い金利で設定されています。フラット35の場合は、実際に住宅ローンを組むときの金利で返済額を計算します。年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下です。年収500万円の人が返済比率を35%にするには、年間返済額175万円(毎月の返済額145,833円)までとなります。ここから借入可能額を逆算してみましょう。額面年収:500万円借入期間:35年返済方式:元利均等返済ボーナス払い:なし金利タイプ:フラット35の全期間固定金利【条件1】融資率:9割以下適用金利:年1.29%【条件2】融資率:9割超適用金利:年1.55% 審査金利借入可能額 条件1:融資率9割以下1.29%4,926万円条件2:融資率9割以上1.55%4,725万円 今回はフラット35を例に計算しましたが、金融機関によって基準が異なりますので、しつこい様ですが、参考程度にお考えください。 [4]「年収の5倍まで」は金利5%時代の考え かつては、「家を買う時は年収の5倍まで」という目安がありました。年収400万円の場合は2,000万円まで、年収500万円であれば2,500万円までといった具合です。前項で年収500万円を例に借入可能額を計算しましたが、2,500万円を余裕で超えています。年収500万円というと日本人の平均年収436万円よりも高所得です。それなのに2,500万円しか借りられないなんて、どれだけ厳しい審査基準なのでしょうか。ちょっとおかしいですよね。それもそのはず、「家を買う時は年収の5倍まで」という目安は、住宅ローンの金利が5~8%だった1992年頃に広まったものだからです。さらにこの時代の銀行は、融資可能な金額が物件価格の8割とされていたため、2割の頭金がないと住宅ローンを組めませんでした。現代よりもずっと住宅ローンのハードルが高かったのです。下記の表は、東京都、神奈川県、埼玉県で新築マンションを購入した方の年収倍率をまとめたものです。 都道府県年収倍率平均年収マンション価格 埼玉県10.13倍467万円4,732万円東京都13.26倍556万円7,371万円神奈川県11.16倍534万円5,959万円 ※東京カンテイ調べ「新築・中古マンション価格の年収倍率 2018【改訂版】東京都をみてみると、平均年収が556万円に対し、年収倍率はなんと13倍を超えています。超低金利時代の今、「家を買う時は年収の5倍まで」という目安は全くあてにならないことがお分かりいただけたかと思います。 [5]頭金はいくら必要?本当に頭金ゼロでも買って大丈夫? 「家を買う時は年収の5倍まで」と似たような目安で、「頭金は2割必要」というものがあります。この話も住宅ローンの金利が5~8%という時代につくられたものです。先述したとおり、かつての銀行は、融資可能な金額が物件価格の8割とされていたため、残りの2割は頭金で支払わなければ住宅ローンを組めませんでした。現代においては、頭金は2割どころか、ゼロでも住宅ローンを組むことが可能です。さらに、諸費用も住宅ローンに組み込むこともできます。「頭金ゼロで住宅ローンを組んでも本当に大丈夫なのか」不安な方は多いかと思います。実は我が家も頭金ゼロ、諸費用込みで住宅ローンを組みました。このような住宅ローンの組み方は、後々生活が苦しくなるという意見もありますが、我が家は特にそのような実感はありません。なぜならば、自分に合った住宅予算を出した上で、身の丈に合った物件を購入したからです。もしも、年収だけでざっくりとした住宅予算を計算し、借入可能額ギリギリまで住宅予算を組んでいたら、今頃家計は火の車だったことでしょう。頭金はあった方が良いですが、なくても問題ありません。むしろ、貯めている間に高齢になるリスク、金利が上がってしまうリスクの方が大きいです。頭金を300万円貯めるとして、一体何年かかるのでしょうか。3年?5年?25歳からの5年間と30歳からの5年間はまるで違います。歳を取れば取るほど、借入期間は短くなりますし、健康上の不安も出てくるので団体信用生命保険(以後、団信)に加入できなくなる可能性もでてきます。団信に加入できなければ住宅ローンは組めません。そして、金利が上がってしまうリスクも忘れてはなりません。近年の住宅ローンの金利は0.4%〜1.5%程度の超低金利です。ただ、今後金利が上がることはあっても、下がることはないといわれています。金利が上がるとどうなるかと言いますと、35年返済で住宅ローンを組んだ場合、金利が0.1%上がると総返済額は52万円増えます。この52万円を帳消しにしたければ、120万円の頭金が必要です。つまり、住宅ローンの金利が0.1%上がると、頭金の120万円が一瞬で吹き飛んでしまうのです。頭金を貯めることに必死になって、買うべきタイミングを逃さないようにご注意ください。 ◆個別のご相談はこちら◆ 【無料】来店相談 【無料】電話相談 [6]まとめ その物件、本当に無理なく買える価格なのか?冷静に考えましょう。住宅ローンが支払えなくて家計は毎月火の車、最悪の場合、自己破産するケースもあります。まさか自分が?と思う方がほとんどでしょう。実は結構多いのです。当社でお住まい探しをされたお客様は、無理のない住宅予算を計算させていただいていますので、余裕をもった返済をされております。悪徳な不動産会社につかまってしまうと、住宅予算ギリギリの物件を「借入可能な範囲なので買えますよ!」とゴリ押ししてくることがあります。問題なく返済できれば良いですが、無理は禁物です。借りすぎにはくれぐれもご注意くださいね。自分の「無理なく返せる額」「住宅予算」を知りたい方は、ミツバハウジングまでお気軽にご相談ください。お住まい探しを全力でサポートいたします。 来店相談の詳細・予約はこちら クリック↓↓↓ おすすめ 【住宅ローン控除とふるさと納税の併用】確定申告とワンストップ特例制度、どちらが得? 2024.06.21 認知症の親の家、代理で売却はできる? 「成年後見制度」についても解説! 2024.07.19 【繰り上げ返済】返済期間短縮型、返済額軽減型どちらが得? 2021.10.26