「脱東京」はもう終了?コロナ前よりも東京の人口が増加している

「脱東京」はもう終了?コロナ前よりも東京の人口が増加している

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コロナの影響による収入減、マンション価格の高騰、テレワーク人口の増加などによって、地方へ移住する人が増加した、というニュースを一時期よく耳にしました。所謂、「脱東京」「東京離れ」です。

しかし、2022年の今。東京の人口はコロナ前よりも増加しています。さまざまなメディアで東京の人口が減ったと言われているのに、おかしな話ですね。詳しくは記事内で解説します。

[1]コロナによる「脱東京」は終わった?

総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、2022年に入ってからの東京都の日本人の転入超過数は、1月383人、2月359人、3月3万3340人、4月4831人と4カ月連続の転入超過というデータが出ています。「脱東京」は終わったのでしょうか。

東京の人口はコロナ前よりも増加している

さまざまなメディアで、「脱東京」により東京の人口が減少していることが報じられていますが、実態は若干異なります。

たとえば、「東京4月人口2万5443人減少」という内容の記事があったと仮定します。減少した2万5443人は、外国人を含む総数であることが多いのです。

東京都の2020年と2021年の人口

2020年4月2021年4月
総人口1386万5911人1384万0468人
日本人の人口1329万5746人1330万3186人
外国人の人口57万0156人53万7282人

参考:東京都「住民基本台帳による世帯と人口」

確かに、外国人を含めた人口は2万5443人減少していますが、日本人だけの人口は7440人増加しています。そうした現実は一切触れず、「脱東京」や「東京離れ」という言葉を使って印象操作をしているメディアも少なくありません。

さらに、コロナ禍のスタート時期を2020年1月下旬として、その後の東京都の人口推移をまとめたものをご覧ください。

2020年1月1日時点/1325万7596人
2020年5月1日時点/1331万9807人
2021年1月1日時点/1329万7089人
2021年5月1日時点/1331万2939人
2022年1月1日時点/1327万7052人
2022年5月1日時点/1329万1738人

参考:東京都「住民基本台帳による世帯と人口」

コロナ直前の2020年1月の時点では1325万7596人だったのに対し、2022年春の転入シーズンを迎えた2022年5月1日時点での東京の人口は1329万1738人。コロナ前よりも人口が増加しています。

2021年は緊急事態宣言が断続的に出ていて、飲食業や観光業などは休業状態、外出自粛のムードが続いていました。多くの企業がリモートワークを実施していたこともあり、高い家賃を払ってまで東京に住む必要がなくなった人達が地方へ移住するケースが増えたのでしょう。

しかし、2022年3月にまん延防止等重点措置が解除されてから状況は少し変わりました。閑散としていた観光地も活気が戻り、通勤や通学をする人も増え、人々の意識がウィズコロナへと変わりました。脱東京の流れも一部にはあったのでしょうが、人口の内訳をみると東京の人口は相変わらず増加しています。

都心部の人口増加が著しい

次に、東京の中で、どのエリアの人口が増加しているのか解説します。

コロナ前の2019年5月と2022年5月で比較すると、東京23区は4万0609人の増加、市部(26市)は1万3206人の増加となっています。一方、郡部は1522人の減少、島部は1172人の減少となっていて、人口の二極化がみられます。

東京23区では人口増加が16、減少したのが7エリアでした。中央区は7572人(4.84%増)、最も人口が増えました。そのほか千代田区は2654人(4.30%増)、台東区5856人(3.16%増)、文京区4852人(2.28%増)といった具合に、都心部の人口増加が著しい結果になっています。

人口が減少したのは、目黒区、大田区、豊島区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区の7区です。この中で最も減少率が高いのは江戸川区で、減少数9333人、減少率1.41%となっています。

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[2]人口増加が止まらない東京の今後

何でも揃って便利な東京ですが、今後どうなるのか不安もありますね。もし大震災が起きたら?高齢化が進んだら?東京に限った話ではないですが、不安は尽きません。

まず、自然災害が多い日本において一番気になるのが、大震災が起きたらどうなるのか。東京都は2022年5月、震源の違う四つの地震で生じる都内の被害想定を発表しました。東京都の被害想定の見直しは10年ぶりとなります。

23区南部付近が震源の場合は死者約6200人、帰宅困難者は約453万人にもなると予想されています。人口が一過集中している東京で大震災が発生した時、予想される数字以上の被害を覚悟しておくことが必要です。

そして、少子化や高齢化の問題も深刻です。22年3月と4月の東京都人口移動報告を見ると、0~14歳の子どもは3月が2055人、4月が1580人の転出超過となっています。出生率が減っているにも関わらず、若い世代の子ども達も東京から出て行ってしまっている状況です。

そんな中、認知高齢者は50万人超にもなると予想されています。2022年1月1日時点の高齢者人口(65歳以上)は約312万人、構成比は23.46%となっており、これは1957年以降で最高の水準です。東京都の予測では、今後2040年には外国人含む約375万人にまで高齢者が増え、構成比は27.7%になるとしています。

高齢になったら田舎でゆっくりと暮らそう、と考えている方も多いかもしれませんが、実際は生活の不便さから老後に東京へ戻って来るケースが多いようです。東京は車がなくても生活ができますし、スーパーやコンビニ、病院、薬局などの施設が一通り揃っています。24時間営業の店も多いので、いつでも必要なものが手に入ります。そうした観点からも、東京に高齢者が流入するのも合理的なのかもしれません。

[3]まとめ

今回は、東京の人口について解説しました。東京は、大震災が起きた時の混乱や都心部の物件価格の高騰など、住みづらい点もあるかもしれません。

しかし、街が発展していくためには、人が流入し人口が増加していることが大切です。人口が増えることによって税収が増え、街のインフラが整備されて住みやすくなります。こうした街には若い世代も多く残り、活気があります。

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