共働き夫婦が家を買う時のポイント・住宅ローンの組み方

共働き夫婦が家を買う時のポイント・住宅ローンの組み方

◆個別のご相談はこちら◆

最近では、若い共働き夫婦がマイホームを購入するケースが増えつつあります。共働きの夫婦は、それぞれの収入を合算できるため、選べる物件の幅が広がるだけでなく、住宅ローン控除も夫婦で受けられるメリットがあります。

しかし、ローンの組み方や資金の持分決定には注意が必要です。この記事では、共働き夫婦のローンの組み方や住宅ローンを組む際に考えておくべきポイント、さらに、夫婦で住宅ローンを組む際には贈与税にも注意する必要があることを解説します。

共働き夫婦のローンの組み方

共働き夫婦が住宅ローンを組む際、一般的な方法として以下の3つがあります。それぞれの特徴やメリット、デメリットを見ていきましょう。

単独ローン

単独ローンとは、一方の配偶者が単独で住宅ローンを組むことを指します。

単独ローンのメリット
・片方の信用情報や収入だけで審査が行われるため、審査手続きが簡単。
・もう一方の配偶者がローンを組む余地を残せる(車のローンなど)。

単独ローンのデメリット
・片方の収入だけで審査が行われるため、借入可能額が低くなる可能性がある。
・返済が困難になった場合のリスクが高まる。

ペアローン

ペアローンとは、夫婦それぞれが別々に住宅ローンを組み、お互いに連帯保証人になる方法です。

ペアローンのメリット
・それぞれの収入でローンを組むため、借入可能額が大きくなる。
・夫婦それぞれがローン控除を受けられる。

ペアローンのデメリット
・夫婦それぞれに対して個別のローンが発生するため、手続きが煩雑。
・どちらか一方が返済不能になった場合のリスクが高い。

・住宅ローン控除
夫と妻の両方に適用

収入合算

収入合算には、「連帯保証型」と「連帯債務型」の2つの方式があります。

特徴住宅ローン控除メリットデメリット
連帯保証型・主たる借入者(主債務者)がローンを組み、配偶者はそのローンの連帯保証人となる。 ・配偶者の収入を合算して、借入額を増やすことができる。 夫のみに適用・主債務者の信用情報が主に審査対象となるため、審査手続きが比較的シンプル。 ・配偶者は連帯保証人として関与するだけなので、借入契約自体は主債務者のみが結ぶ。 ・主債務者が返済不能になった場合、連帯保証人である配偶者が全額返済の義務を負う。 ・配偶者が連帯保証人になるため、将来的に他の借入れを行う際に影響が出る可能性がある。
連帯債務型・夫婦両方が主債務者としてローンを組む形態。二人の収入を合算して審査される。 ・夫婦ともにローン契約者となり、両方の収入で返済していく。 夫と妻の両方に適用・夫婦の収入を合算することで、借入可能額が大幅に増える。 ・夫婦が共同でローンを組むため、返済の責任を共有できる。 ・両方が住宅ローン控除を受けることができる(場合による)。 ・どちらか一方が返済不能になった場合、もう一方が全額を返済する義務を負う。 ・離婚やその他の事情で物件を処分する際の手続きが複雑になる可能性がある。 ・両方の信用情報が審査対象となるため、どちらかに問題がある場合は影響が出る。

選択のポイントとしては、配偶者のどちらの収入が安定しているか、将来的な収入見込みはどうかを評価し、リスクをどの程度共有するかを決めます。

連帯保証型では主債務者のリスクが大きく、連帯債務型ではリスクを分担する形となります。また、住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられる可能性や、将来的に他のローンを組む予定や離婚のリスクも考慮します。

結論として、安定した収入を持つ主債務者がいる場合は「収入合算(連帯保証型)」がシンプルで手続きも簡単ですが、二人の収入を最大限に活用して借入額を最大化したい場合は「収入合算(連帯債務型)」が有利です。

◆個別のご相談はこちら◆

共働き夫婦が住宅ローンを組む時に考えておくこと

共働き夫婦が住宅ローンを組んで家を購入する時、あらかじめ考えておくべきことを以下にまとめました。

単独ローンか夫婦でローンを組むか

夫婦で住宅を購入する最大のメリットは、収入を合算することで購入予算を増やせる点です。収入が同程度であれば予算は倍になり、選べる物件の幅が大きく広がります。また、住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられる点も大きなメリットです。

しかし一方で、デメリットもあります。離婚や別居などの問題が発生した場合、共有名義のため家を処分しにくくなります。また、どちらかが働けなくなった場合に返済はどうするのかも考えておかなければなりません。

いざという時に「売れる」家を買う

若い夫婦の場合は、「終の棲家」というよりも、ライフスタイルの変化や不測の事態にも対応できるような「売れる」物件選びを意識しましょう。

売れる家の選び方は以下の3つがポイントとなります。

①立地条件:公共交通機関へのアクセス、学校やスーパーなどの生活利便施設が近いこと。

②周辺環境:治安の良さや将来的な発展性が見込める地域であること。

③建物の状態:新築か、リフォーム済みの物件であること。または、建物の品質や管理状況が良好であること。

いざという時に売れる家を選ぶことで、将来的なリスクを軽減し、安心して生活を送ることができます。

離婚時にトラブルが発生する可能性がある

ここまで共働き夫婦が住宅ローンを組む時に考えておくべきことを説明しましたが、一番トラブルが発生しやすいのは離婚時です。

なぜなら、基本的にローンの名義人は夫婦の両方であり、離婚後も返済義務は残ります。名義変更が難しいため、一方が家を出たとしても返済は続きます。

どちらが家に引き続き住むか、または売却するかどうかなどを含め、離婚時に話し合って決めることになります。円満に話し合いで解決できれば良いですが、トラブルが発生するケースは多々あります。

住宅ローンを組んだ時点では夫婦仲は良くても、3組に1組が離婚する時代です。住宅ローンを組む際には将来の不測の事態に備えることが重要です。

夫婦で住宅ローンを組む時は贈与税に注意

具体的にどのような点に注意が必要なのか、贈与税がかからない共有持分の決め方などを解説します。

負担額と持ち分の割合によって贈与税がかかる

たとえば、ペアローンなどを利用する場合、夫婦それぞれで異なる金額で融資額を設定できますが、その際は持ち分の割合を慎重に考慮する必要があります。通常、住宅の持ち分は「負担した金額の割合に応じて分ける」とされます。つまり、両者の負担金額に差異があると、多く負担した方から少なく負担した方へ贈与が行われたとみなされ、贈与税が発生する可能性があります。

贈与税がかからない共有持分の決め方

共有持分は資金の負担割合に合わせれば贈与税はかかりません。

たとえば、3,000万円の住宅を購入する場合、夫が頭金200万円、妻が頭金300万円(そのうち100万円は親からの援助)を出し、夫が1,600万円の住宅ローン、妻が900万円の住宅ローンを組んだとします。

この場合、夫の持分が「6/10」、妻の持分が「4/10」となります。親からの援助も妻が負担した資金として計算されます。資金の負担割合と持分が一致すれば、夫婦間の贈与の問題は回避できます。

◆個別のご相談はこちら◆

住宅ローン控除を夫婦それぞれで利用するには?

住宅ローン控除は、年末時点での住宅ローン残高の0.7%相当額が、給与などから支払った所得税から差し引かれる制度です。とてもお得な制度なので、夫婦それぞれで利用したいという方も多いでしょう。

収入合算(連帯保証型)夫のみに適用ですが、収入合算(連帯債務型)とペアローンは夫と妻の両方に適用されます。

さらに、1本の住宅ローンに夫と妻が連帯債務者として返済するケース(フラット35など)では、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けることができます。ただし、夫が債務者となり、妻が収入合算者として連帯保証人となった場合には、妻が返済の一部を負担していたとしても、妻は住宅ローン控除を受けることはできません。

返済中に夫婦どちらかが仕事を辞めたらどうなる?

妻が出産や育児などで休職や退職すると収入が途絶えるため、預貯金から返済を続けるか、夫が代わりに返済することになります。しかし、あらかじめ夫婦の収入を考慮してローンを組んでいるので、夫の収入だけでは全額をカバーするのは難しいでしょう。理想は、どちらかが退職した場合でも返済を続けられる範囲内で借入することです。また、共働き期間中に一定の貯蓄(もしくは繰り上げ返済)をしておくという方法もあります。

ちなみに、夫が妻の返済分を代わりに支払った場合、贈与とみなされ、妻に贈与税が課税される可能性があります。ただし、贈与税の基礎控除額は年間110万円であり、これを超えなければ贈与の問題が生じる可能性は低いと言えます。

まとめ

夫婦で住宅ローンを組めば、借入金額を増やせたり夫婦それぞれで住宅ローン控除を利用できたりメリットが多いですが、離婚時にトラブルが発生するリスクがある点や、どちらかが働けなくなった時に返済が負担になる点がデメリットです。住宅ローンを組むときは若くて健康であっても、この先もそうであるとは限りません。また、ライフスタイルの変化もあるでしょう。長期的な計画をしっかり立ててから夫婦でのローンを組むことをおすすめします。

来店相談の詳細・予約はこちら

クリック↓↓↓