固定資産税って何?軽減措置の条件は?

固定資産税って何?軽減措置の条件は?

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【目次】
[1]固定資産税とは
1.課税対象となる資産
2.「住んでいない家」も課税対象
3.「固定資産税の支払い時期
4.固定資産税の計算方法
[2]住宅種別によって固定資産税はどう違う?
[3]固定資産税の軽減措置
1.土地と新築住宅の軽減措置
2.軽減措置の対象となる要件
3.長期優良住宅の軽減措置
4.既存の住宅にバリアフリーや耐震改修を行った場合
[4]まとめ
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今回は、固定資産税について徹底解説したいと思います。固定資産税は不動産を所有したら必ずかかる税金です。決して安い金額でもないので、よく分からないまま支払うのはよくありません。仕組みや支払い時期、計算方法、軽減措置など、固定資産税についてしっかりと理解しておきましょう。

[1]固定資産税とは


そもそも、固定資産税とはどのような税金なのでしょうか。

固定資産税の仕組み

固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地や建物を所有している方に対して課せられる税金のことです。不動産取引では引き渡し日(決済日・所有権の移転日)に固定資産税の日割分を売り主に支払い、その後は年に1回、固定資産税を支払います。
固定資産税は土地と建物に対して課税されるため、建物が古くなるにつれ課税額が少なくなっていきます。その一方で、土地は「古くなる」という概念がないため、何年経っても資産価値は残ります。木造一戸建ての場合、住み始めて10年経過すると建物の価値は物件取得時の半分ほどの価格にまで下がり、20~25年で下限に達します。下限に達した後は、土地の価格だけが資産価値として残ります。
なお、評価額(固定資産税額)は3年に一度のペースで見直しがあり、固定資産税の計算に用いられる減価率の下限は2割と定められています。その下限に達してからは建物がどんなに経年劣化をしても評価額は減りません。

課税対象となる資産

横浜市の場合、固定資産税の課税対象となる資産は以下のとおりです。
・土地…田、畑、宅地、池沼、山林、原野、雑種地など
・家屋…住宅、店舗、工場、倉庫、事務所など
・償却資産…事業用のために用いる構築物、機械、器具、備品など
参考:横浜市「固定資産税・都市計画税について」

「住んでいない家」も課税対象

固定資産税は、住んでいてもいなくても、不動産を所有しているだけで課税対象となります。たとえ空き家であっても課税されます。
もし、これを読んでいるあなたが空き家を放置しているのなら、早めに売却などを検討されることをおすすめします。近年は、空き家問題が深刻になっていて、「空き家対策特別措置法」という対策によって高額な税金を請求される可能性があるからです。
今までは空き家を放置していても、固定資産税を取られるだけで大きな影響はないケースが多かった様ですが、今後はちょっと変わります。
空き家を放置していると、まず市町村から住宅の撤去や修繕、空き家周辺の美化を徹底するように指導をされます。それでも改善されない場合は、勧告が出されます。所謂レッドカードですね。その勧告を無視していると、固定資産税の軽減措置から除外され、最大で6倍の固定資産税を請求されることになるのです。
空き家は放置しても何のメリットもありません。解体や修繕をして空き家を活用するか、売却するのがベストです。
ただ、空き家の解体には費用もかかりますから、放置は良くないと分かっていても行動に移せないという方も多いかと思います。横浜市の場合は、「空家所有者のための活用スタートアップ支援事業補助金」という制度を設けており、この制度を利用すると家財撤去等に係る費用を補助してくれます。以下に横浜市公式サイトのリンクを添付しますので、参考にしてください。
横浜市公式サイト(空家所有者のための活用スタートアップ支援事業補助金)

固定資産税の支払い時期

横浜市の場合は、毎年4上旬に資産を所有している地域の自治体から納付通知書(納付書)が送付されます。納付書は、1年分の固定資産税を一括納付できる納付書と、第1~4期に分けた納付書の2種類あります。
横浜市の令和2年度の支払い期限は以下のとおりです。
第1期:4月末日
第2期:7月末日
第3期:12月末日
第4期:翌年2月末日
※末日が土休日の場合は、その翌日が納期限となります。

固定資産税の計算方法

固定資産税の計算式は、以下のとおりです。
固定資産税=固定資産税評価額×税率(1.4%)
・土地…固定資産税評価額×税率(1.4%)
・家屋…課税台帳に登録されている価格×税率(1.4%)
・償却資産…固定資産税評価額×税率(1.4%)
横浜市の場合、区役所税務課窓口または行政サービスコーナーで固定資産税評価額の最新年度分を取得できます。
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[2]住宅種別によって固定資産税はどう違う?


次に、不動産取得税の課税対象・非課税対象について解説します。
新築と中古、一戸建てとマンション、固定資産税にどのような違いがあるのかみていきましょう。
【設定条件】
・一戸建て
物件価格:5,000万円(土地3,500万、建物1,500万)
初期評価額:土地1,295万円(購入価格の37%)、建物275万円(購入価格の25%)
・マンション
物件価格:5,000万円(土地1,500万円・建物3,500万円)
初期評価額:土地555万円(購入価格の37%)、建物1,050万年(購入価格の30%)
・中古住宅の経年劣化補正率計算
一戸建て:6年目0.58、16年目以降0.20
マンション:6年目0.6737、30年目:0.4632

 1回目6年後30年後
新築一戸建て56,450円60,650円40,700円
中古一戸建て
(築10年)
51,725円40,700円40,700円
新築マンション84,980円111,984円73,220円
中古マンション
(築10年)
106,824円99,092円68,134円

まずは、一戸建てとマンションの比較です。固定資産税は土地と建物で評価額を計算するため、「一戸建ては土地の割合が多い=建物の割合が低く」、「マンションは土地を居住者で割る=建物の割合が多く」なります。つまり、土地と建物の割合だけで考えると、一戸建てよりもマンションの方が固定資産税は高いと言えます。
次に、新築と中古で比較してみましょう。新築は、要件を満たせば固定資産税の軽減措置を利用できるので、物件取得時当初は中古よりも新築の方が固定資産税は少なくなります。そのため、「新築は固定資産税が安い」、「中古は固定資産税が高い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃる様ですが、実はそうではないのです。
新築は、購入後数年間は軽減措置が適用されるので固定資産税が安く感じますが、中古は買ったときから時間が経っているので最初から固定資産税が安いのです。固定資産税の仕組みを理解していないと「新築は固定資産税が安い」、「中古は固定資産税が高い」というイメージは消えないでしょう。
新築か中古か迷われている方はこちらの記事もご一読ください。
「新築か中古」どちらが良いか迷ったら読む記事

[3]固定資産税の軽減措置


固定資産税の税率は1.4%が標準ですが、住居用の土地や建物は、一定の条件を満たすことで軽減措置が適用されます。条件を満たした場合は、固定資産税額が3年、または5年間1/2になります。

新築住宅の軽減措置と要件

◎土地(住宅用地)の軽減措置
居住するために建てた家屋(住宅やアパートなど)の敷地や、敷地内にある庭や自家用車駐車場などのことを指します。住宅用地には下記のような軽減措置があります。
・小規模住宅用地(一戸あたり200㎡までの部分)…課税標準 × 1/6
・一般住宅用地(一戸あたり200m2を越える部分)…課税標準 × 1/3
※どちらも、建物の床面積の10倍が限度
◎新築住宅の軽減措置
新築住宅の減額適用時の税額算定式は「新築住宅の固定資産税額=課税標準額(=評価額)×1.4%×1/2」です。
新築住宅は一定の要件を満たせば、住宅購入後から固定資産税額が3年、または5年間1/2に減額される軽減措置があります。(ただし、居住床面積120m2まで)
以下の表は軽減措置をまとめたものです。

種別適用条件軽減措置
住宅
(令和2年3月31日まで新築の場合)
一戸建
マンション
・3階以上の耐火・準耐火建築物
・専用住宅・店舗併用住宅(店舗併用の場合、居住スペースが1/2であること)
・居住部分の床面積が一戸につき50㎡以上280㎡以下
・3階以上の耐火・準耐火建築物…新築後5年間
1/2減額
・上記以外の一般の住宅…新築後3年間1/2減額
土地
(住宅用地特例減税)
小規模住宅用土地一戸あたり200㎡までの部分土地の課税評価額が1/6に軽減
※ただし、建物の床面積の10倍が限度
一般住宅用土地一戸あたり200m2を越える部分土地の課税評価額が1/3に軽減
※ただし、建物の床面積の10倍が限度

※マンションの場合、敷地全体の面積を住居用住戸の戸数で割った面積を判定します。

軽減措置の対象となる要件

令和4年3月31日までに新築された住宅に対して適用されます。

軽減措置の対象となる新築物件の要件
貸家以外一戸建て50㎡以上280㎡以下であること
店舗などの併用住宅居住部分の床面積が全体の1/2以上で、居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下であること
マンションなど一戸建て以外40㎡以上280㎡ル以下であること
貸家一戸建て50㎡以上280㎡ル以下であること
マンションなど一戸建て以外40㎡以上280㎡以下であること

※マンションなどの区分所有家屋の床面積は「専有部分の床面積+一棟の専有部分の床面積の合計に対する、所有する専有部分の床面積の割合に応じて各戸に割り振った共用部分(廊下や階段室等)の床面積」で判定します。
また、賃貸マンションなどについても独立的に区画された部分ごとに区分所有家屋に準じた方法で判定します。
参考:横浜市 新築住宅についての減額制度

長期優良住宅の軽減措置

長期優良住宅とは、長期間優良な状態で住宅を使用するために、次のような措置を講じた住宅のことです。
・住宅品質確保のための住宅性能表示制度の基準に準じ、長期使用のための構造設備を有している
・住居環境などへの配慮を行なっている
・一定面積以上の住戸面積を有している
・維持保全のための期間・方法を定めている
軽減措置を受けるには、登録住宅性能評価機関等で技術的審査を行い、長期優良住宅としての性能等を認定されなくてはなりません。長期優良住宅の認定は、工事に着手する前に、登録住宅性能評価機関による適合証を取得し、認定申請手続きをする必要があります。
参考1:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅とは」
参考2:認定基準の詳細(国土交通省長期優良住宅法関連情報のページ)

既存の住宅にバリアフリーや耐震改修を行った場合

既存の住宅に以下の工事を行った場合にも軽減措置が適用されます。
・バリアフリー化…120㎡までの床面積に対する固定資産税額1/2が減額されます。新築後10年以上経過、賃貸住宅は対象外などの一定要件があります。
・耐震改修…120㎡までの床面積に対する固定資産税額1/3が減額されます。
・省エネ改修…120㎡までの床面積に対する固定資産税額1/3が減額されます。賃貸住宅は対象外など一定要件があります。

[4]まとめ

今回は、固定資産税について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。これからマイホームを購入する、という方は毎年必ず固定資産税の支払いがあるので、計画的に貯蓄しておきましょう。軽減措置の利用条件を満たしている方は利用しない手はありません。積極的に利用してください。
なお、今回の記事は横浜市を例に解説していますので、自治体によっては内容が異なる場合があります。詳しくは各自治体にお問い合わせください。

 



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