住宅ローンの金利によって返済額はどう変わるのか

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住宅ローンの金利によって返済額はどう変わるのか

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住宅ローンは、金融機関によって内容が全く異なるので、どれを選べば良いのか迷いますよね。そのため、「もう金利が低いローンでいいや!」と投げやりになってしまう方も多い様ですが…これは本当に危険な選び方です。絶対にやめましょう。

一見すると「金利が低い=お得」と考えがちですが、それは住宅ローンについての知識がないと言っているようなものです。厳しい言い方になりますが、実際にそうなのです。面倒になった時、安さだけを理由に選ぶと必ずと言っていいほど失敗します。

今まさに住宅ローンを選ぶことが面倒で投げやりになっている方は、どうかこの記事を読んで自分に合ったものを選んでください。

[1] 金利の種類

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まずは、金利の種類とそれぞれの特徴についてみていきましょう。

変動金利型

変動金利型は、金利が半年ごとに変動し、5年ごとに返済額が見直されます。

5年間は元金と利息の割合を調整して返済額が変わらないようになっていますが、金利が上がると返済額も高くなります。ただ、返済額の見直しの際は、『これまで返済していた返済額の125%が上限』というルールがあるので返済額の急増は回避できますが、住宅ローンは利息の支払いが優先されるので、末払い利息が発生する可能性があります。

変動金利型のメリットデメリット、向いている人

メリット
・固定金利よりも金利が低い
・金利が上昇しなければ固定金利よりも返済額は少ない

デメリット
・金利上昇のリスクがある
・金利が上昇すれば、返済額が高くなる

向いている人
・金利の動向をこまめに確認できる人
・返済期間が短い、借入金額が少ない人
・金利が上昇して返済額が増えても経済的に余裕がある人

全期間固定金利型

全期間固定金利型は、借入期間中は金利が変わりません。返済額は、金利がずっと変わらないので完済まで一定です。

返済額は毎月一定、元金もいくら残っているのかも明確なので、返済中の安心感は一番ありますね。ただ、変動金利型に比べると金利が高いので、そこをデメリットととるかは人によります。

全期間固定金利のメリットデメリット、向いている人

メリット
・返済額が変わらないので将来のライフプランがたてやすい
・金利が変わらない安心感がある

デメリット
・変動金利よりも金利が高い
・今後、金利が低くなれば変動金利よりも返済額が多くなる

向いている人
・安定した資金計画を立てたい人
・今後、教育費などで支出が多い人

固定期間選択型

固定期間選択型は、適用される金利の期間が決まっており、期間終了後に適用金利を選択します。固定期間は1~30年の間で、金融機関ごとに設定が異なります。

固定期間が終了すると、その時点での金利に見直されます。その際は、変動金利型か固定期間選択型かを選択できます。

最近は固定期間が短い住宅ローンほど低金利の傾向があります。固定期間が終了後に金利が上がっていた場合は、返済額が増える可能性があるのでご注意ください。

固定期間選択型のメリットデメリット、向いている人

メリット
・固定期間中は毎月返済額が増えない安心感がある
・固定期間経過後に金利が下がっていれば、低い金利を享受できる

デメリット
・固定する期間が長くなればなるほど、金利は高くなる
・固定期間経過後に金利が上がっていた場合、返済額が増える

向いている人
・教育費がかかる一定時期だけ返済額を安定させたい人
・車のローンなど、返済が重なる時期だけ返済額を抑えたい人

[2]変動と固定、どっちが有利?

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前項では、3種類の金利についてご説明しました。金利を選ぶ際には、「変動と固定、どちらにしようか」迷われている方が多いかと思います。実際のところ、どちらの方が有利なのでしょうか。

下記は『今後の金利の変化によって、変動と固定で返済額はどう違うのか』を表にまとめたものです。

今後の金利が変わらなかった場合店頭金利2.475%から、1.775%引き下げた金利で試算)

金利タイプ金利月々の返済額総返済額
変動金利型0.7%6万7,130円約2,819万円
全期間固定金利型1.5%7万6,546円約3,215万円

今後の金利が上昇した場合(店頭金利2.475%から、1.775%引き下げた金利で試算)

金利タイプ金利月々の返済額総返済額
変動金利型0.7%6万7,130円約3,187万円
全期間固定金利型1.5%7万6,546円約3,215万円

今後の金利が上昇した場合(店頭金利2.475%から、1.775%引き下げた金利で試算)

金利タイプ金利月々の返済額総返済額
変動金利型0.7%6万7,130円約2,785万円
全期間固定金利型1.5%7万6,546円約3,215万円

現在は超低金利時代ですので、目先の損得だけ考えると、変動金利型の方が返済額は少なくなります。ただし、金利が上がった場合は返済額が増えるリスクがあります。

今後の金利の変化は断言できませんが、上がる可能性はあっても下がる可能性は低いと言われています。全期間固定金利型の場合は、完済まで金利が変わらないので月々の返済額も一定です。全期間固定金利以外の住宅ローンは、金利の変化によって月々の返済額に差が出てきます。特に、超低金利時代の今、返済期間が長ければ長い人ほど、金利上昇時の備えが必要です。

変動金利型と全期間固定金利型、どちらが有利なのかは、完済するまでは分かりません。目先の損得で選ぶよりも、「無理なく返済できるのか」を重視した方が安心です。

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[3]住宅ローンは、低金利な方がお得?

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前項に続いて、「お得かどうか」がテーマです

同じ融資額なら金利が低い方がいい?

住宅ローンは、金融機関によって金利に差がありますが、同じ融資額であれば低金利の方が「お得」なのでしょうか。

住宅ローンを選ぶ時、金利の差があって迷いますよね。金利は固定期間の長さによって異なりますし、金融機関によって設定している金利がバラバラです。

また、不動産会社や借主と金融機関との取引状況やキャンペーンなどで、店頭金利よりも低い金利が適用されることも多く、引き下げ金利の幅も金融機関によって異なります

適用金利が低ければ低いほど返済額は少なくなります。損得でいえば適用金利が低い住宅ローンの方が得、と言えるでしょう。ただし、事務手数料や保証料によっても返済額は変わってきますので、金利の安さだけに飛びつかず、総合的な判断で選ぶことをおすすめします。

住宅ローンの事務手数料や保証料についてはこちらの記事をご一読ください。
住宅ローンの諸費用と借入限度額について

2,500万円を金利の違いで試算

金利の違いで返済額にどのような違いが出るのか、借入額2,500万円を例に試算してみましょう。

【条件】
借入額:2,500万円
返済期間:35年
金利:全期間固定金利型/元利均等返済/ボーナス返済なし
適用金利:完済まで変わらない

金利月々の返済額総返済額
2.5%8万9,373円約3,754万円
2.0%8万2,815円約3,478万円
1.6%7万7,776円約3,267万円
1.5%7万6,546円約3,215万円
1.4%7万5,327円約3,164万円
1.0%7万571円約2,964万円
0.5%6万4,896円約2,726万円

上図を見ると分かるように、金利が高いと返済額は多くなりますが、金利が低いと返済額は少なくなります。たとえば0.1%の金利差でいうと月々の返済額は約1,200円と微々たるものになりますが、35年間で計算すると約51万円の差になります。

返済期間が長ければ長くなるほど、このわずかな金利差が総返済額に大きく影響してくるのです。

[4]店頭金利って何?実際にはいくらになるの?

インターネットなどで住宅ローンの広告を見ると、「店頭金利より▲年2.0%」と書かれていることが多いですよね。これって誰でも金利が安くなるという意味なのでしょうか?

店頭金利とは

店頭金利とは、各金融機関が自由に設定できる金利です。「店頭表示金利」、「基準金利」とも呼ばれています。

各金融機関が自由に設定できるので、価格競争が起きそうなものですが、実際のところは横並びです。

そして、この店頭金利から金融機関が独自で引き下げる金利幅を優遇金利(引き下げ金利)といいます。この優遇金利が、「店頭金利より▲年2.0%」という部分にあたるわけですね。

さらに説明すると、店頭金利から優遇金利を差し引いた金利は適用金利といいます。この適用金利が、実際に住宅ローンを組む時に適用される金利となります。

「店頭金利より▲年2.0%」=「店頭金利から優遇金利で2%引いた金利がローンの適用金利となりますよ」と考えると分かりやすいでしょう。

誰でも店頭金利よりも安い金利で借りられるの?

最初に結論から申し上げますと、誰でも、ではありません。

現在、金融機関の多くは店頭金利よりも低い金利で融資する優遇金利を設けています。ただ、優遇金利を適用できるのか、どのくらいの引き下げをするのかは審査によって決定します。

つまり、優遇金利を受けられるかどうかは、審査次第。借りる人の条件や購入物件、自己資金の割合などによっては引き下げ幅が少なくなる場合もあります

また、もともとの店頭金利が高い場合もあります。複数の金融機関で迷われている方は、優遇金利だけではなく、店頭金利も比較しましょう。

また、優遇金利がいつまで適用されるのかも確認しておくことが重要です。当初の引き下げが大きいタイプの優遇金利だと、引き下げ期間の終了と店頭金利の上昇が重なった場合、返済額が大幅に増えてしまいます

 

チェックしておきたいポイントをまとめると…

チェック1
優遇金利を受けられるかどうか、引き下げ幅は、審査次第。住宅ローンの広告に載っている優遇金利は、最大引き下げ幅であるということを忘れずに。

 チェック2
もともとの店頭金利が高い場合もある。優遇金利だけではなく、店頭金利も比較すること。

チェック3
優遇金利がいつまで適用されるのかも確認しておく。当初の引き下げが大きいタイプの優遇金利なのか、全期間一律なのか、必ず確認しておくこと。

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[5]まとめ

「安いからお得」という概念は捨てましょう

金利が低い方が良いに決まっています。それは間違いないです。ただ、金利の低さだけをみて損得を考えるのはもうやめましょう。

住宅ローンは大きな金額を借りるので、返済期間、金融機関が定めた適用金利、変動か固定かによっても総返済額は大きく変わります。また、金利が低くても事務手数料が高い、優遇金利が途中で終わってしまった、返済中に金利が上昇してしまった(変動金利の場合)など、返済途中で返済額が増えることはよくあります。

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