住宅ローンの諸費用と借入限度額について

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住宅ローンの諸費用と借入限度額について

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住宅ローンを選ぶ際、金利のほかに気になるのが諸費用(保証料や事務手数料)です。金融機関の中には「保証料無料」としているところもある様です。選び方によっては数十万の差が出るので、できれば慎重に選びたいですよね。

そこで今回の記事では、住宅ローンの諸費用について解説したいと思います。また、借入限度額や「無理なく返せる額」の決め方についてもお話します。

[1] 住宅ローンの諸費用について

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住宅ローンの諸費用は、金融機関によって金額が変わってきますので、この項目で詳しく解説したいと思います。

諸費用って安くなるの?

住宅ローンの諸費用は、新築なら物件価格の5%、中古なら8%が目安です。数十万円かかることもありますので、できれば節約したいところですよね。

実際に、住宅ローンの諸費用は安くできるものなのでしょうか。

売買契約書に貼る印紙代や抵当権設定費用に関しては、どこの金融機関で住宅ローンを組んでもかかる費用は同じです。金融機関によって諸費用が変わるのは「保証料」と「事務手数料」です。

意外と知られていないことなのですが、実は保証料が必要な場合と不要な場合があります。事務手数料も金融機関によって無料の場合や一律で金額を設定されている場合もあり、選択する住宅ローンによって諸費用は変わってきます。

保証料の設定は大きく分けて3パターン

保証料の設定は下記の3パターンであることが一般的です。

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1.保証料無料
フラット35は原則無料。ネット銀行などの一部の金融機関では保証料無料に設定しています。

2.外枠方式(一括払い)
住宅ローンの契約時に保証料を一括払いする方法です。

3.内枠方式(金利に上乗せ)
住宅ローンの金利に0.2%程度上乗せして、月々の返済額と含めて支払う方法です。

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保証料無料の金融機関と、保証料がかかることが多い金融機関を下記にまとめましたので参考にどうぞ。

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◎保証料がかからない金融機関
フラット35

◎保証料がかからない金融機関
・ネット銀行…ソニー銀行、楽天銀行など
・新興の銀行…イオン銀行など

◎保証料がかかることが多い金融機関
・大手銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫など(ただし、融資手数料型のローンは保証料がかかりません)

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外枠方式と内枠方式

多くの金融機関が、外枠方式か内枠方式か選択できるようになっています。

それぞれのメリットデメリットは下記のとおりです。

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外枠方式のメリットデメリット
・外枠方式のメリット
内枠方式よりも、月々の返済額を抑えることができる。保証料以外の借入条件が同じ場合は、内枠方式よりも保証料の合計金額が大きくなることが多い。

・外枠方式のデメリット
一括で支払うため、まとまった資金が必要。

内枠方式のメリットデメリット
・内枠方式のメリット
外枠方式よりも契約時の費用を抑えることができる。

・内枠方式のデメリット
保証料以外の借入条件が同じ場合は、外枠方式よりも保証料の合計金額が大きくなることが多い。

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それぞれの返済金額の総額が気になりますね。シミュレーションしてみましょう。

外枠方式と内枠方式の返済金額の比較

【条件】
借入金額:3,000万円
返済期間:35年
金利:全期間固定1.5%
返済方法:元利均等返済、ボーナス返済なし

外枠方式(借入金額の2.0%)内枠方式(借入金利に0.2%を上乗せ)
契約時の保証料600,000円0円
月々の返済額91,855円94,822円
保証料を含めた総返済額39,179,007円39,825,335円

「契約時の支出は多くなるけれど、保証料を最初に一括で支払って月々の返済額を抑える」か「契約時の支出は抑えて、月々の返済額を多めに払っていく」か、どちらがベストなのかは人それぞれです。メリットデメリットを比較して、検討してみてくださいね。

事務手数料は金融機関によって異なる

事務手数料は自由に設定ができるため、各金融機関で金額が全く異なることが多いです。

事務手数料は、一般的に「定率型」と「定額型」の2通りになります。

定率型…借入金額に対して一定の割合がかかる

定額型…借入金額とは関係なく一定の金額がかかる

たとえば、借入金額3,000万円、返済期間30年で住宅ローンを組んだ場合…

定率型で借入金額に対して2.2%がかかる場合は66万円(税込み)

定額型で借入金額とは関係なく一律5.5万円(税込み) 

という金融機関もあります。60万円はかなり大きな差ですね。選択次第で事務手数料は大きく変わりますので、注意が必要です。ただ、無料であればお得かというと、微妙なところです。その理由は、次項で詳しく説明します。

保証料無料の方がお得?

金利は安いけれど保証料が高い住宅ローンと、金利が高いけれど保証料無料の住宅ローン、どちらがトータル的にはお得なのか悩みますよね。

一見すると後者の方がお得な気がしますが、保証料は返済期間や金利差によってもトータルの支払い額は異なるため、どちらがお得かというのは一概には言えないのです。

では、保証料の有無と金利の差で総返済額はどのような違いがあるのかシミュレーションしてみましょう。

保証料アリの方がお得!
返済期間35年

保証料無料で金利1.7%総返済額 約3,983万円
保証料アリで金利1.5%総返済額 約3,920万円 (保証料62万円含む)

保証料無料の方がお得!
返済期間20年

保証料無料で金利1.3%総返済額 約3,408万円
保証料ありで金利1.2%総返済額 約3,421万円 (保証料45万円含む)

上図をみて分かるように、単にトータルの返済額で損得を考えるのではなく、返済期間や借り方によっても、どちらがベストなのかは答えが異なります。

また、保証料無料の場合、金融機関はローン破綻などのリスクを回避するために、審査を厳しくする傾向があります。それをしっかり理解しておかないと、審査に通らず振り出しに戻っているうちに、希望物件が売れてしまう可能性もあります。現金一括で購入する以外、住宅ローンに通らなければ家を購入することはできませんから、自分は何を優先すべきなのかじっくりと考えた上で選んでくださいね。

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[2]限度額ギリギリまで借りてもいい?

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「せっかくだから限度額ギリギリまで借りて、大きな家や駅近の人気物件を買いたい」なんて思考は絶対にダメです。勢いに任せて住宅ローンを組むと、必ずと言っていいほど失敗します。「絶対」「必ず」このような強いワードを用いるほど避けて欲しいことなのです。

限度額ギリギリ=年収の40%超

金融機関が算出する借入限度額は、年間返済額が税込み年収の35%としていることが一般的です。

たとえば年収600万円なら年間返済額は210万円。月々の返済額は17万5,000円になります。さらに、この場合は税込み年収なので、手取り年収で考えると、「借入限度額ギリギリ=年収の40%超」になります。年収の半分近くが住宅ローンや固定資産税などの住居費に消える、ということです。

家さえ買えればいい、旅行も外食も趣味にかけるお金も必要ないし、子どもの学費や将来的な貯蓄も必要ない、という方なら良いかもしれませんが、そんな方はいませんよね。住宅ローンを返すだけの人生になってしまいます。

住宅ローンは借りられれば良いというものではありません。住宅ローンは「借りられる額」よりも「返せる額」が重要です。年収の40%というギリギリのラインまで住宅ローンを借りて、本当に最後まで問題なく返せますか?今勢いで借りるつもりの方は、今一度、資金計画を立て直してみてください。

[3]「無理なく返せる額」の決め方

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前項では、住宅ローンは「借りられる額」よりも「返せる額」が重要であることを説明しました。それでは、「無理なく返せる額」はどのように決めれば良いのでしょうか。

今の家賃と同額のローンなら安心というわけではない

不動産の広告に「今の家賃と同額で家を買えます!」という文言、よく見かけますよね。それじゃ、買っちゃおう!という楽観的な方は少ないとは思いますが、家賃と住宅ローンを同等に考えている方はちょっと注意が必要です。

家を所有すると、住宅ローンの他にいろいろな費用がかかります。住宅ローンの月々の返済額を今の家賃と同額に資金計画を立てることは可能ですが、固定資産税などの税金、マンションの場合は管理費、修繕積立金などがかかります。あとは、家のメンテナンス費用も必要ですね。これらの費用を今支払っている家賃から引いて、残った金額住宅ローンの返済に充てられるように資金計画を立てると良いでしょう。イメージ的には下記のような感じです。

今の家賃 ― 固定資産税・管理費、修繕積立金など =毎月返済できる金額

自分でこれらの計算をすることはなかなか難しいので、できれば不動産会社やファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

毎月の返済額から考える借入可能額の目安

あくまでも目安になりますが、返済金利35年を例にシミュレーションしてみましょう。

ボーナス払い金利8万円9万円10万円11万円12万円
なし1%28343188354238964251
なし2%24152716301833203622
1回5万円1%31283482383741914545
1回5万円2%26652967326935713872
1回10万円1%34233777413144864840
1回10万円2%29163218352038224124
1回15万円1%37184072442647805135
1回15万円1%37184072442647805135
1回20万円1%40124367472150755429
1回20万円2%34183720402243234625

※単位 万円

上記は返済期間35年で試算しているため、もっと短い返済期間であれば月々の返済額はもっと少なくなります。現在の住まいが社宅などで住居費が少ない方は、シミュレーションしにくいかと思いますので、近隣の家賃相場を調べて計算してみてください。

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[4]まとめ

「保証料」と「事務手数料」だけを注視するのはおすすめしません。

誰だって費用は抑えたいですし、損得を考えてしまうものです。ただ、住宅ローンを選ぶ時に保証料と事務手数料だけに目を向けていると、思わぬ失敗を招くリスクも高くなります。記事内でも説明したとおり、保証料無料であれば必ずしも得かというと一概には言えませんし、保証料無料の場合は審査が厳しくなるデメリットもあります。また、借入限度額ギリギリまで融資を受けるのもリスクが高すぎるのでやめましょう。

「注意点ばかりで疲れた…」という方も多いかもしれません。そんな方はぜひ一度ミツバハウジングまでご相談ください。住宅ローンの知識を持ったスタッフが分かりやすくご説明いたします。また、お客様ひとりひとりに合った資金計画を立て、住宅予算も算出いたします。今すぐ買う気はないんだけど…という方も大歓迎です。お気軽にお問い合わせください。

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