住宅ローンの基礎知識(公的ローンと民間ローン・金利について)

住宅ローンの基礎知識(公的ローンと民間ローン・金利について)

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今回はタイトルとおり、住宅ローンの基礎知識として「公的ローン」と「民間ローン」「フラット35」と、金利について解説します。住宅ローンを利用するのなら、本稿の内容は知っておいて損はありません。ざっと目を通す程度の感覚で、お好きな所から読んでみてください。

[1]まずは公的ローンと民間ローンの違いを知ろう

住宅ローンは「公的ローン」、「民間ローン」、そして民間融資と公的融資の中間に位置する「フラット35」の3種類に分けられます。それぞれの違いを説明します。

公的ローンとは

公的ローンは「財形住宅融資」と「自治体融資」の2種類があります。

・財形住宅融資
ネット銀行なみに低金利なことが多いですが、利用するには下記の条件を満たしていなければなりません。

条件1
・財形貯蓄している人
・一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄のいずれかを1年以上継続している人
・申込日前2年以内に財形貯蓄の預け入れをしている人
・申込日における財形貯蓄の残高が50万円以上ある人

条件1
・年収と借入額の条件が合う人
・一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄のいずれかを1年以上継続している人
・年収に占めるすべての借り入れ(住宅ローン、マイカーローン、クレジットカードなど)の年間合計返済額の割合(※総返済負担率基準)が以下の基準を満たしている人

※総返済負担率
年収400万未満…30%以下
年収400万以上…35%以下

詳しくはこちらからご確認ください。
住宅金融支援機構のホームページ

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・自治体融資
都道府県、特別区・市町村などが住民支援・勤労者支援の一環として実施している融資です。自治体が直接融資を行うケースや、民間の金融機関と提携して利子分を補填するケースがあり、金利や借入れ条件などは自治体によって異なります。すべての自治体が実施しているわけではないので、お住まいの自治体に確認してみてください。

民間ローンとは

民間ローンは「民間融資」「提携融資」「社内融資」の3種類です。

・民間融資
メガバンクと呼ばれる大手銀行や地方銀行、生命保険会社やノンバンクなどの民間機関が融資を行っています。金利や審査基準はそれぞれ異なります。

・提携融資(提携ローン)
不動産会社が金融機関と提携し、融資する住宅ローンです。引き渡し日などのスケジュールの管理がききやすい点と、通常の窓口では適用されない金利優遇がある点はメリットとして挙げられますが、利用できる金融機関は限られていますし、金利や借入期間を選択できない場合があります。

・社内融資
会社が福利厚生の一環として社員に提供している住宅ローンです。審査基準がゆるやかな場合が多いですが、退職した際に借りたお金を一括返済しなければならないので、老後の資金計画が苦しくなるリスクがあります。

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[2]民間融資と公的融資の中間に位置する「フラット35」

フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して扱っている住宅ローンです。

都市銀行や地方銀行、信用金庫、ネット銀行、フラット35を専門に扱う「モーゲージバンク」と呼ばれる金融機関で申し込むことができます。

フラット35は、固定金利しか選択できません。金利は金融機関によって異なりますが、比較的低い金利に設定されています

フラット35を借入れできる条件や住宅の条件などは一律で決められていますが、審査基準がゆるめに設定されているので、自営業の方も審査に通りやすいといわれています。

[3]公的ローンと民間ローン、フラット35のメリットデメリット

タイトルとおり、それぞれのメリットデメリットをみていきましょう。

公的ローンのメリットデメリット

公的ローンのメリットデメリットは以下のとおりです。

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公的ローンのメリット
・審査が比較的ゆるい
・全期間固定金利プランを利用できる

公的ローンのデメリット
・借入限度額(フラット35:8,000万円、財形住宅融資:4,000万円)
・住宅の構造などに条件がある

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公的ローンの大きなメリットは、審査が(比較的)通りやすいことです。民間ローンの場合は、勤続年数は最低2〜3年、年収は200万円以上ないと審査に通りませんが、公的ローンでは勤続年数や年収については制限がありません。

しかし、その一方で、「購入する住宅に対する条件」が厳しい点がネックとなります。つまり、公的ローンは、勤続年数や年収などの「人間に対する」審査はゆるめですが、住宅に対する審査が厳しい。住宅ローンを組む人の状況によってメリットになるか、デメリットになるか、異なりそうですね。

フラット35のメリットデメリット

先に説明しましたが、フラット35の金利は固定金利のみです。審査基準が民間ローンよりも緩めで、年収による制限もありません。

メリットデメリットや、フラット35に向いている人をまとめると以下のようになります。

フラット35のメリット
・個人事業主、自営業の方も借りやすい
・団体信用生命保険(団信)への加入が任意
・繰り上げ返済の手数料が無料
・保証料が不要
・購入する住宅が性能基準を満たしていれば、金利の引き下げが受けられる「フラット35S」を利用可

フラット35のデメリット
・住宅の技術基準があるため、物件の検査が必要
・返済時に金利が下がったとしても返済額は変わらない

フラット35に向いている人
・自営業の人
・個人事業主の人
・転職したばかりの人

[4]住宅ローンの金利

住宅ローンの種類が分かったところで、次はみなさんが住宅ローンを選ぶ上で一番気になっていると言っても過言ではない『住宅ローンの金利』について解説します。

全期間固定金利

全期間固定金利は、借入期間中の金利が最後まで変わりません。金利はほかの2つの金利と比較すると高めですが、金利上昇で返済額が増えるリスクがないので、毎月決まった金額で返済したい、計画的に資金計画を立てたいという方に選ばれています。

全期間固定金利のメリット
・返済額が変わらないので将来のライフプランがたてやすい
・金利が変わらない安心感がある

全期間固定金利のデメリット
・変動金利よりも金利が高い
・今後、金利が低くなれば変動金利よりも返済額が多くなる

全期間固定金利に向いている人
・安定した資金計画を立てたい人
・今後、教育費などで支出が多い人

変動金利型

変動金利型は、文字通り金利が返済途中で変わります。半年ごとに金利が見直され、返済額に反映されるのは5年ごとです。返済途中に金利が上昇するリスクはありますが、返済額が上がる場合でも、従来の返済額の1.25倍までという上限が定められています。

変動金利型のメリット
・固定金利よりも金利が低い
・金利が上昇しなければ固定金利よりも返済額は少ない

変動金利型のデメリット
・金利上昇のリスクがある
・金利が上昇すれば、返済額が高くなる

変動金利型に向いている人
・金利動向を見きわめて対応したい人
・借入金額が少ない人(金利が上昇しても影響が少ない人)

固定期間選択型

固定期間選択型は、契約時に3年、5年、10年というふうに、選択した期間の金利が固定されているタイプです。一定期間経過後は、変動金利型になるのが一般的ですが、選択した期間が終了した時点で、固定金利か変動金利か、再度金利を選択できるようになっています。ただ、変動金利型のような返済額上昇の上限が定められていないため、固定金利が終了した時点で金利が上昇していた場合、返済額が増える可能性があります。

固定期間選択型のメリット
・固定期間中は毎月返済額が増えない安心感がある
・固定期間経過後に金利が下がっていれば、低い金利を享受できる

固定期間選択型のデメリット
・固定期間経過後に金利が上がっていた場合、返済額が増える

固定期間選択型に向いている人
・教育費がかかる一定時期だけ返済額を安定させたい人
・車のローンなど、返済が重なる時期だけ返済額を抑えたい人

[5]まとめ

まずは住宅ローンの種類と金利をおさえればOKです!

初めて住宅ローンについて勉強される方は、聞きなれない言葉が多くて、すんなり頭に入らないかもしれません。中には「難しいことはいいから、月々の返済額だけ分かればいい!」という方もいらっしゃるかと思いますが、冷静に考えてみてください。基礎知識がゼロの状態で何千万もするローンを組むのは、怖くはないですか?

まずは今回解説した住宅ローンの種類と金利、このふたつをおさえれば大丈夫です!次回は元利均等返済、元金均等返済について解説します。ゆっくりと基礎知識を身に付けていきましょう。

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