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仮審査通過後の本審査で落ちる理由とその対策

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住宅ローンの仮審査をクリアし、いよいよ本審査へと進むわけですが、ここで思わぬ壁にぶつかることもあります。仮審査が通ったからといって、本審査でも自動的に通るわけではありません。本記事では、仮審査に通った後に本審査で落ちる理由と、それに対する対策を詳しく解説します。

仮審査と本審査の違い

住宅ローンを利用するとき、仮審査と本審査という2つの審査があります。この2つの審査、住宅ローンを申し込んだ金融機関行っていると思われがちですが、実際には異なる機関が担当しています。

まず、仮審査は住宅ローンを申し込んだ金融機関が直接行います。仮審査では、申込者の収入に対してどの程度の返済負担があるか(返済比率)や、過去の返済履歴、つまり個人信用情報がチェックされます。これにより、金融機関は申込者が住宅ローンを返済できるかどうかをざっくりと判断します。

一方、本審査は保証会社が担当します。保証会社とは、もしローンの名義人が返済できなくなった場合に、代わりに銀行へ残りのローンを支払ってくれる会社です。本審査では、仮審査で確認された情報が正確かどうかに加え、名義人の健康状態や担保となる物件の価値も細かく審査されます。さらに、AIを活用した新しい審査技術が使われることもあり、より厳しい目でのチェックが行われます。

仮審査は通常、1週間以内に結果が出ますが、本審査は2~3週間ほどかかるのが一般的です。

仮審査通過後に本審査で落ちる原因

住宅ローンの仮審査を通過した後、本審査で不合格となると大きなショックを受けるかもしれません。しかし、原因を理解し適切な対策を講じることで、再挑戦の可能性を高めることができます。ここでは、本審査で落ちる主な原因とそれぞれの対策について詳しく解説します。

仮審査で出なかった過去の支払い遅延

仮審査では基本的な情報のみがチェックされるため、過去の支払い遅延が見逃されることがあります。しかし、本審査では保証会社がより詳細に個人信用情報を調査します。銀行と保証会社では利用する情報機関が異なる場合があり、銀行が確認していなかった遅延情報が発覚すると、これが本審査での不合格理由となることがあります。

【対策】
・信用情報の確認と修正:自分の信用情報を事前に確認し、誤りがあれば修正を依頼しましょう。

・正確な情報の共有:不動産事業者や金融機関には、過去の取引履歴や遅延情報を正確に伝えましょう。正直な情報開示が重要です。

仮審査後に新たな借り入れや支払いの遅延をした

仮審査が通過した後、新たにクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすると、本審査で問題視されることがあります。また、仮審査後に支払いの遅延が発生すると、これも本審査に悪影響を及ぼします。

【対策】
・借り入れの控え:本審査が完了するまで、新たな借り入れやクレジットカードの申請は控えましょう。

 ・支払いの遅延回避:既存のローンやクレジットカードの支払いは、期日を守って確実に行うことが重要です。

仮審査後に転職した

住宅ローンの審査では、勤務先や勤続年数、雇用形態、年収などが重要な評価基準となります。仮審査後に転職すると、勤続年数がリセットされるため、収入の安定性に疑問を持たれ、本審査に影響を与えることがあります。

【対策】
・転職のタイミングを考慮:可能な限り、転職は本審査が完了した後に行うよう計画しましょう。

・収入の安定証明: 転職後も収入が安定していることを証明できる書類を用意し、必要に応じて金融機関に提出しましょう。

物件の担保価値の問題

住宅ローンでは、購入する物件自体が担保として評価されます。しかし、本審査では物件の詳細な評価が行われ、違法建築物などと判断された場合、担保価値が不足してローンが受けられなくなることがあります。

【違法建築物に該当する例】
建ぺい率や容積率の超過
接道義務違反
建築確認の未取得や設計変更
違法な増改築

【対策】
・物件の確認:購入予定の物件が違法建築物でないか、建築確認済証や検査済証を確認しましょう。

・専門家への相談:不動産エージェントや建築士に相談し、物件の法的な問題がないか確認を取ることが重要です。

・代替策の検討:担保価値が不足している場合は、頭金を増やす、他の資産を担保に追加する、または他の物件を検討することも一つの方法です。

健康状態がよくない(団信に加入できない)

住宅ローンを組む際、多くの場合、団体信用生命保険(団信)への加入が求められます。団信は、ローン返済中に万が一のことがあった場合に備える保険ですが、健康状態が悪いと加入を断られることがあります。

【団信の審査ポイント】
・最近の医療歴:告知日から3ヶ月以内の治療歴や薬の服用歴。

・重大な病気や手術歴:告知日から3年以内の特定の病気に関する手術や長期の治療。

・身体的欠損: 手足や指の欠損、機能障害の有無。

【対策】
・保険会社との相談: 保険会社によっては、加入条件が緩やかなプランや、特定の条件下で加入を認める場合もあります。複数の保険会社に相談し、最適なプランを探しましょう。

・フラット35を利用する
団信の加入が任意の住宅ローン「フラット35」を選択する方も多いです。金利は固定しかないですが、団信に加入しなくても住宅ローンが組める点は大きなメリットでしょう。

フラット35

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遅延や遅滞があっても審査が通るケース

住宅ローンの審査において、信用情報は非常に重要な要素です。しかし、過去に支払い遅延や滞納があった場合でも、必ずしも審査に落ちるわけではありません。特に、事情や背景が考慮されるケースもあり、思いもよらない結果が得られることもあります。この章では、遅延や遅滞があっても住宅ローンの審査に通ったケースを説明します。

そもそも、遅延と遅滞の違いは何?

個人信用情報では「遅延」と「遅滞」という言葉が使われますが、このふたつには大きな違いがあります。特に「遅滞」は、最低でも5年間は住宅ローンを借りることが難しくなると言われることが多いです。

「遅延」とは、支払い期日を過ぎてから一定期間内に支払いが行われたケースを指し、カード会社や金融機関によって、どの程度遅れた場合に遅延情報として記録されるかは異なります。一方、「遅滞」とは、支払いが61日以上、または3ヶ月以上滞った場合に記録される情報で、「異動情報」とも呼ばれています。この異動情報がついてしまうと、いわゆる「ブラックリスト」に載る状態とされ、信用力に大きなダメージを与えます。

しかし、この異動情報があったとしても、住宅ローンの審査に通る可能性はゼロではありません。次に、実際に遅延や遅滞があっても審査に通ったケースを具体的に見ていきましょう。

「遅延」があっても審査に通ったケース

まずは、「遅延」があっても住宅ローンが借りられたケースです。一般的に遅延情報は2年経過すると消えるため、2年以上前の遅延であれば、審査に大きく影響することは少ないでしょう。ただし、途中でクレジットカードなどを解約していると、遅延情報が残り続けることがあります。

審査に通ったケースで共通しているのは、直近1年以内に1回以上の遅延がある場合は審査が厳しくなる点です。しかし、1年以上経過している場合や、2年以内に2回程度の遅延であれば、審査に通る可能性があります。もちろん、その他の属性や収入も重要な要素ですが、遅延が少ないほど審査は通りやすくなります。

「遅滞(異動)」があっても審査に通ったケース

次に、「遅滞(異動)」があっても審査に通ったケースを見ていきましょう。遅滞は遅延よりもはるかに厳しい状況とされ、俗にいうブラックリスト入りの状態です。そのため、個人信用情報に遅滞が掲載されていると、通常は住宅ローンを借りることが難しいとされています。

それでも、実際に住宅ローンが借りられたケースも存在します。これらの少数のケースでは、属性や収入が問題なく(むしろ優れている場合が多い)、さらに時間が3年以上経過していることが多いです。また、遅滞の理由が銀行担当者にとって「仕方がない」と判断されるようなやむを得ない事情であることも多いです。

住宅ローンの審査を受ける前にしておくべき準備や対策

住宅ローンの審査を受ける前に、しっかりと準備や対策を行っておくことで、審査の通過率を高めることができます。以下に、審査前にしておくべき具体的な準備や対策をまとめました。 1.個人信用情報の確認 審査で最も重要視されるのが個人信用情報です。これには過去のクレジットカードやローンの支払い履歴、遅延・滞納情報などが含まれます。事前に自分の信用情報を信用情報機関(CICやJICCなど)で確認し、もし誤った情報や未処理の問題があれば、修正や解決を図りましょう。特に、過去の遅延や滞納が残っている場合、審査に影響を与える可能性があるため、対応が必要です。   2.新たな借り入れやクレジットカードの利用を控える 住宅ローンの審査期間中に、新たな借り入れを行ったり、クレジットカードの利用を増やしたりするのは避けるべきです。これらの行動は返済能力に対する評価を下げる可能性があるため、審査が終わるまで控えるのが賢明です。   3.安定した収入を維持する 住宅ローンの審査では、安定した収入が非常に重要です。転職や雇用形態の変更など、収入に影響を与える可能性のある行動は、審査の結果にマイナスに働くことがあります。特に転職を考えている場合は、審査が終わり、住宅ローンが確定した後に行うようにしましょう。   4.頭金をできるだけ多く用意する 頭金が多ければ多いほど、融資額が少なくなり、審査が通りやすくなります。また、頭金の用意が可能な場合は、その分、借入額や返済期間を短くできるため、総支払額を抑えることも可能です。頭金をしっかりと準備しておくことで、審査への好印象を与えることができます。   5.健康状態に気を付ける 住宅ローンを借りる際には、団体信用生命保険(団信)への加入が求められることが一般的です。団信の加入審査では健康状態が重要な要素となります。持病がある場合は、事前に医師に相談し、必要な書類を準備しておくとスムーズです。   6.物件の選定と事前調査 購入予定の物件についても、事前にしっかりと調査しておくことが大切です。違法建築や担保価値が低い物件は、ローン審査が通らない可能性があります。不動産エージェントと相談し、問題のない物件を選びましょう。   これらの準備と対策をしっかりと行うことで、住宅ローンの審査に対する不安を減らし、よりスムーズな融資承認に繋げることができるでしょう。

まとめ

仮審査を通過しても、本審査で落ちることがある理由は多岐にわたります。過去の支払い遅延や新たな借り入れ、転職、物件の担保価値、健康状態など、さまざまな要因が絡み合って本審査での合否が決まります。対策としては、事前に信用情報を確認し、借り入れや転職、健康管理に注意を払い、物件選びにも慎重になることが求められます。本審査で落ちた場合でも、状況を改善し再チャレンジすることで、住宅ローンを組むことが可能です。