「持ち家を売って賃貸に住みたい!」それ本当に後悔しない?

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「家を購入したけれど、気に入らない」「持ち家を売って身軽な賃貸に住み替えたい」とお考えの方。ちょっと待ってください。本当に家を売って後悔しませんか?賃貸は気軽に住み替えをできる点が魅力的ですが、せっかくの安易に賃貸に住み替えるのは危険です。

記事内で持ち家を売って賃貸に住むメリットやデメリット、近年人気のリースバックについても解説しますので、持ち家を売って賃貸に住み替えることを検討されている方はぜひご一読ください。

持ち家を売って賃貸に住む時の流れ

持ち家を売却して賃貸に住むことを検討する際の基本的な流れは以下のとおりです。

1.物件の査定
不動産会社を選ぶ:信頼できる不動産会社を選び、複数社に査定を依頼します。
査定を受ける:不動産会社に物件の査定を依頼し、売却価格の目安を知ります。

 
2.売却の準備
売却価格の設定:査定結果を参考に、適正な売却価格を設定します。
販売活動:不動産会社と契約し、物件の広告や案内を始めます。

 
3.買主の決定
内覧希望者に対して物件の案内を行い、価格や条件について交渉します。合意に達したら、売買契約を締結します。

 
4.引っ越し準備
賃貸物件の条件を決め、物件探しを始めます。条件に合う物件が見つかったら、賃貸契約を結び、引っ越し業者を手配し、引っ越しの準備をします。

5.引き渡しと引っ越し
物件の引き渡し:売買契約に基づき、買主に物件を引き渡します。
引っ越し:新しい賃貸物件に引っ越します。
 

6.売却後の手続き
売却益の受け取り、各種税金の支払い、住所変更手続きなどを行います。

 
7.賃貸生活の開始
賃貸物件での新しい生活を始めます。

持ち家を売って賃貸に住むメリット

持ち家を売って賃貸に住むメリットを説明します。

まとまった資金が手に入る

自宅を売却することで、売却代金を手に入れることができます。まとまった資金が手に入るので、ビジネスの立ち上げ、医療費、教育費など、急な支出や投資に活用できます。

ただし、譲渡所得税に注意!
利益が出る場合、譲渡所得税がかかる可能性があるため、税務面でも注意が必要です。具体的には、売却価格から購入価格や売却にかかった経費を差し引いた額に対して課税されます。

固定資産税や家の修繕費がかからない

持ち家の場合、毎年固定資産税を支払わなければなりませんが、賃貸に住むことでこの税金の負担がなくなります。
また、持ち家では定期的な修繕や大規模なリフォームが必要ですが、賃貸物件の場合、基本的に修繕費は大家が負担します。これにより、予期せぬ大きな出費を避けることができます。

ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる

賃貸に住むことで、ライフスタイルや仕事の変化に応じて簡単に引っ越しが可能です。たとえば、以下のような状況で柔軟に対応できます。

・転勤や仕事の変化
新しい勤務地への転勤や、リモートワークの普及により住む場所を自由に選べます。

・家族構成の変化
家族が増えたり、独立したりする際に、生活に合わせて適切な広さや間取りの住居に移れます。

・ライフステージの変化
年齢や健康状態に応じて、バリアフリーの住居や介護施設に移ることも容易です。

・環境の変化を楽しむこともできる:都心、郊外、地方、海外など、異なる環境での生活を試してみたい場合にも対応できます。

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持ち家を売って賃貸に住むデメリット

良いことばかりに思えますが、持ち家を売って賃貸に住むにはデメリットもあります。

家賃を支払っても何も残らない

持ち家の場合、ローンを払い終われば資産としての価値が残りますが、賃貸では家賃を支払い続けても資産として何も残りません。

また、老後の生活も不安です。持ち家を売却して賃貸に住むと、固定資産税や維持費はなくなりますが、家賃の支払いは一生続きます。特に老後の生活が年金頼みの場合、毎月の家賃支払いは大きな負担となり、家賃滞納のリスクも伴います。

リフォームやDIYができない

賃貸物件では、壁の色を変えたり、部屋のレイアウトを大幅に変更したりするリフォームやDIYが制限されることが多いです。持ち家であれば、自分の好きなように改装できるため、居住環境を自分のライフスタイルや好みに合わせてカスタマイズできますが、賃貸ではそれが難しくなります。

持ち家を売って後悔しない?安易に賃貸に住み替えるのは危険

持ち家を売って賃貸に住むことは一見魅力的に思えるかもしれませんが、安易に決めるのは危険です。特に老後に持ち家を手放すことには、多くのリスクが伴います。以下に、老後に家を売るべきでない理由を6つ挙げます。

1.環境の変化が心身の負担になる
新しい環境への適応は高齢者にとって大きなストレスになります。長年住み慣れた家から引っ越すことは、心身の健康に悪影響を及ぼすことが多いです。

2.高齢者は賃貸住宅を借りにくい
高齢者は収入が固定されており、年齢によるリスクを懸念する大家が多いため、賃貸住宅を借りることが難しくなります。保証人の問題も発生しやすいです。

 
3.家賃の支払いは一生続く
持ち家の場合、ローンを払い終われば住居費がほぼかからなくなりますが、賃貸では家賃の支払いが一生続きます。年金生活での家賃負担は経済的に厳しくなります。

4.子どもが相続する家がなくなる
持ち家を売却すると、子どもたちが相続できる資産が減ります。家を相続することで、子どもたちが将来的に住む場所を確保できる安心感を提供することができます。

5.家財の処分に困る
長年住んでいると家財が増えますが、これらを処分するのは大変な作業です。特に高齢者にとっては、物理的にも精神的にも大きな負担となります。

 

6.築古物件なら利益が出ない可能性がある
築年数が経過した物件は、思ったような売却価格がつかないことが多いです。リフォームや修繕が必要な場合、その費用がかさみ、利益がほとんど出ない可能性もあります。

 

これらの理由から、老後に持ち家を手放して賃貸に住み替えることは慎重に考えるべきです。持ち家を売却する前に、自身のライフスタイルや将来の計画、経済的な状況を十分に検討し、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

リースバックを利用して住み続ける方法もある

「住宅ローンや固定資産税の支払いから解放されたい」、「お金に困っているから売却をしたいけれど今の家を手放すのは惜しい」という人にはリースバックという選択肢もあります。

リースバックの仕組み

リースバックは、自宅をリースバック会社に売却し、その後賃貸借契約を締結してリース料(家賃)を支払うことで住み続けられる仕組みです。売却金はリースバック会社から一括で支払われ、自由に使うことができ、物件の直接売却により申し込みから最短で1週間ほどで売却金が入金されます。

リースバックを利用する時の流れ

リースバックを利用する場合の一般的な流れは以下のとおりです。

1.評価と査定:不動産の評価や査定を行い、その価値を把握します。これによって、将来の賃貸収入やリースバック契約の条件が決まります。

2.リースバック契約の締結:不動産をリースバックするための契約を締結します。この契約には、賃貸料の金額、支払いの頻度、契約期間、修繕責任などが含まれます。

3.賃貸契約の開始:リースバック契約が成立すると、テナントとの間で賃貸契約を締結します。賃貸料は通常、リースバック契約に基づいて決定されます。

最終的に買い戻すことは可能

買戻し可能なリースバック契約では、将来、再度家を購入し所有権を回復することができます。

買戻しには大きな資金が必要ですが、その後は再び自宅として住むことができ、家賃を支払う必要がありません。買戻しの条件はリースバック会社によって異なります。いつでも買戻しが可能な場合や、期間が限られている場合、契約時に設定された買戻し金額がある場合などがあります。

リースバック会社を比較する際には、買戻しの取り扱いについても確認しましょう。将来、買戻しを考えているなら、普通借家契約でのリースバックがお勧めです。この場合、買戻し期限があっても、賃貸契約を更新しながら買戻し金額や期限を調整することができます。定期借家契約でも買戻しは可能ですが、買戻しが実現しない場合は契約終了時に退去する必要があります。

普通借家契約かつ買戻しが可能な契約であれば、将来、自宅を再取得する可能性が高まりますので、家の買戻しを希望する場合には、このタイプのリースバックを検討すると良いでしょう。

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リースバックの注意点

最後に、リースバックの注意点を説明します。

周辺の賃貸よりも家賃が高い

リースバック契約では、通常の賃貸市場の家賃よりも高めに設定されることがあります。これは、不動産の売却価格に一定の料率(一般的には8〜10%程度)を乗じて計算されるためです。

具体的には、月ごとの家賃は不動産の買取価格に対する期待利回り(通常は7〜13%程度)を適用して計算されます。例えば、買取価格が2000万円の場合、期待利回り10%で計算すると、家賃はおよそ16.6万円になります。

リースバック会社は利回りを重視しており、これに基づいて家賃を決定します。そのため、通常の賃貸市場の家賃相場とは異なる場合が多いです。

売却価格が相場よりも低くなりやすい

一般的に、リースバックの売買価格は市場価格の70%~80%程度で算出されます。たとえば、市場価格が2900万円の場合、リースバックの売買価格は2320万円になります。

リースバック契約では通常の市場価格よりも低い価格で不動産を売却することになるため、これを事前に理解しておくことが重要です。

住宅ローンを完済できないと利用できない

リースバックを検討する際の重要な注意点として、特定の利用条件が設定されていることがあります。たとえば、住宅ローンがまだ残っている場合、その完済が求められることがあります。これにより、所有者が不動産をリースバックする際には、ローンの債務が完全に解消されることが必要です。

また、リースバックでは不動産の所有権を手放すことになります。そのため、将来的に不動産の価値が上昇しても、その利益を得る機会を失う可能性があります。この点についても慎重に考慮し、リースバックの契約内容や将来の財務計画を総合的に検討することが重要です。

何年住めるかは借家契約によって異なる

リースバックを利用する際、「普通借家契約」または「定期借家契約」のいずれかの借家契約を結ぶことになります。何年住めるかは借家契約によって異なります。

 
・普通借家契約
普通借家契約は、一般的な賃貸物件で広く採用されている契約形式です。この契約では、借主の権利が強く保護されており、借主が希望すれば契約を更新し続けることができます。貸主が契約の更新を拒否するには、家賃の滞納など正当な理由が必要で、貸主の都合による契約解除は基本的に認められません。そのため、長期間にわたって安定して住み続けることが可能です。

 
・定期借家契約
定期借家契約は、あらかじめ契約期間が定められた賃貸借契約です。この契約では、更新がなく、契約期間が満了すると賃貸借契約が終了します。例えば、3年契約の定期借家契約を結んだ場合、3年経過後には退去しなければなりません。契約期間満了後も住み続けたい場合は、再契約を結ぶ必要がありますが、これは貸主の承諾が必要です。

まとめ

持ち家も賃貸もそれぞれメリットがありますが、せっかく手に入れた持ち家を売って賃貸に住み替えることは慎重になった方がよいでしょう。若いうちは賃貸の身軽さがメリットに感じますが、高齢になると家賃の支払いや更新料の負担、年齢が原因で賃貸契約が結べないリスクもあります。

記事内でご紹介したリースバックという方法もありますが、デメリットも多くありますのでこちらも慎重にご検討ください。